【ツイステ】偏光【アズール】

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この状況でもアズールを心配し気丈に振舞おうとする姿にAが根っからのお人好しだということをアズールは嫌でも確信させられた。

ろくに嘘もつけないような彼がちんけな演技で取り繕ったところでその動揺が分からない訳がなかった。

「魔力が枯渇している状態でさらに魔力を使用したので体が消耗してしまったのでしょう。安静にして回復すれば治りますよ」

故にアズール自身は動じてはならないと努めて冷静に彼に情報を伝えた。

この状況に於いては彼が手もつけられないほどのパニック状態にならないように体裁さえ保てていられればいいのである。

気管に血液が入ってしまうことのないよう気を配り、元々人通りの少ない所であるため人が来ることはあまりないが念の為確認しつつ日陰に座らせた。


彼は次第に自身の視界が霞んでいくのを感じていた。

ピントの合わないカメラのように辺りがぼやけ、端からどんどんと暗がりが迫る。

アズールの声は聞こえるが、何と言っているかは分からなかった。

彼は朦朧とする意識の中、こうなったことは黙っててほしいと、覗き込んでくるアズールに縋った。

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