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藤井くんの手が、
うちの髪に伸びてきて、
「なんかキラキラしとる」
って言われて、
心臓が止まるかと思った。
「いや、キラキラなのは
藤井くんの方ですよ」
って言いたかったけど、
こういう時って声出んのやな。
「ちょ、流星ナンパすんなや！(笑)」
「ちゃうって！(笑)
わ！ガラスの破片、
髪についとった…！
顔に破片飛んだりしてへん？」
ってまた心配してくれて。
入学してからずっと、
高嶺の花やったのに、
偶然話せたおかげで、
貴方への想いが
膨らんでしまいました。
ーーーーーーーーー
あれから、なかなか話す機会はなくて、
神様の気まぐれやったんかなぁ。
今日は園芸部の当番やから、
いつもより早めに学校に着いた。
花壇に水やりしてたら、
サッカー部の朝練の声が聞こえてきた。
確か藤井くんは、サッカー部。
気になって花壇の間から覗いてみる。
キツそうなメニューやのに、
小瀧くんと笑顔で、
楽しそうにこなしてる。
サッカー好きなんやなぁ。
あっ、目があったかもしれん。
パッとすぐ逸らしてしまった。
前までは、見てるだけで幸せやったのに。
今は、話したいなんて欲張りになってしまった。
花壇の水やりに集中して、
気を紛らわせる。
「こないだより、大きくなったなぁ
綺麗に咲いたね」
1人やと思って、
花に話しかけてると、
気づかんかった。
「ほんまに綺麗やなぁ」
すぐ横に藤井くんが居たことに。
「え？！
藤井くん…
あれ、さっきまで朝練…」
てゆうか、独り言きかれた？！
穴があったら入りたい！！
「さっきのメニューで最後。
やっぱり見てた？
目合ったかな〜って思っててんけど、」
藤井くんの笑顔は太陽みたいに暖かい。
本当にキラキラしてる。
「Aちゃん、園芸部なんや。
いつも綺麗に咲いてるよな、ここらへん」
藤井くんが名前を覚えてくれてる…！
「はい、そうです…。
見てくれてるんですか？」
嬉しい。
他の誰かじゃなくて、
藤井くんが見てくれてるってことが。
「俺ボーッとしてるって
よく言われんねんけど、
いろいろ見てんねんで！
こないだも綺麗に咲いてたから、
つい見てしまって。
この花綺麗やなぁ
なんていう花？」
貴方の新しい一面を知れるのが嬉しい。
また、心が奪われる。
好きが増していく。
もしかしたら、
伝えられないかもやけど。
それでも、
藤井くんに恋しててもいいですか。
もさを。/ きらきら
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作者名：ひよこまめ | 作成日時：2021年1月14日 13時
