きらきら(青) ページ9
あなたside
それは、突然やった。
学校で1番目立つグループで、
入学式に一目惚れした、
人気者の藤井くんと
話すことが出来たんは。
昼休み、友達と廊下を歩いてた時、
ちょうどうちらが歩いてたところの、
窓ガラスが急に割れて、
野球のボールが飛び込んできた。
その後すぐに、
「大丈夫？！」
という声とともに現れたのが、
藤井くんで。
そのあと、ぞろぞろと藤井くんのグループの人たちであろう6人も校舎に入ってきた。
みんなキラキラしてる。
その中でも私には、
藤井くんが一際キラキラして見える。
友達は上手く窓から離れたみたいやけど、
うちはびっくりして、
床に座り込んでしまってたから、
多分ケガしたと思ったんかな。
「ボール当たった？！
ガラスでケガしてへん？
ちょ、保健室行こ！！
…保健室どこやっけ！」
そう言って心配してくれとんのに、
未だに保健室がわかってないのが可笑しくて、つい笑ってしまったんやった。
だって、1年の10月やで？
「…え。
どうしよう、望！
この子ボール頭に当たっておかしくなったんかもしれん！」
「え、やばいやん！
ごめんな、俺が取り損ねたから…！」
「いや、俺の投げるとこが悪かったんやから、俺のせい。ごめん、ほんまに…！」
そうやって、あわあわしてる君は
すごく可愛かったな。
さりげなくかばってるところも、みんなから愛される理由なんだろうなぁ。
「や、違くて！
ボール当たってないです。
ちょっと藤井くんが
言ってたこと面白くて…(笑)」
「…？
おれ、面白いこと言った？」
「はい(笑)」
「さっき、保健室どこやっけ言うてたやん、それやろ(笑)
ケガなくて良かった。
ほんまにごめんな。」
「大丈夫です！
ピンピンしてるので！」
中間先輩にすかさず突っ込まれてる。
「良かったぁ、ケガしてなくて」
ほんわかした笑顔を浮かべる彼。
こんなに至近距離で見られるなんて、
心臓がどきどきする。
怪我もしてなかったし、
危ないから生徒は
教室に戻るようにって
先生に言われたから、
一応お礼を言ったら。
「あの、親切に
ありがとうございま……？！」
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作者名：ひよこまめ | 作成日時：2021年1月14日 13時
