・ ページ42
ある日の放課後、
教室に残ってると、
女の子数人がやってきて、
「そろそろ諦めたら？」
なんて言われた。
こっちからしたら、
は？
って感じやけど。
「なんのことですか？」
そういうと女の子は、
「重岡くんにも神山くんにも
手出してんじゃねーよ」
って怒り始めた。
手を出す、とは。
意味がわからず固まってると、
突き飛ばされた。
いった…。
「何してるん」
この声。
振り返った女の子たちが焦り始めた。
「え、重岡くん…！！」
重岡？
さっき帰るって言ってたやん。
「何してるんって聞いてんねんけど」
「いや、これは…」
女の子たちの顔は真っ青。
「そうやって、陰でコソコソしてるやつ
俺大っ嫌いやねん」
今まで聞いたことない
低い声で怒ってる重岡。
「…っ、ごめんなさい…」
「俺に謝るんとちゃうやろ、
Aに謝れや」
「ごめんなさい！」
そういうと、女の子たちは
足早に教室を去って行った。
「…よかった、戻ってきて」
ホッとした顔を浮かべる重岡。
「何しに、きたん？」
「心配やったから。」
なんで、心配なんかするん？
「最近、いろいろ嫌がらせされてたやろ。
教科書捨てられてたり、
上履き隠されたりとか。
まさか、俺が絡んでるとは思わんかった…
ほんまにごめん。
気づいてやれんくて。」
あぁ、そっか。
「教科書も上履きも、
重岡が見つけてくれたんや。
今も、助けてくれてありがとう。」
そういうと、
私の大好きな笑顔を浮かべた。
「…好き」
「え？」
想いが溢れるように、
ポロッと出てしまった言葉。
「私、重岡のこと、好き」
真っ直ぐ目を見て伝えた。
「…ありがとう」
そんな風に照れるのは、反則やん。
もうなにもできんくなる。
沈黙に耐えられなくなって、
「助けてくれて、ありがとう！
また明日！」
逃げるように帰ろうとしたら。
「待って！！」
重岡に腕を掴まれた。
「おれも、すき、やで」
夕日に照らされた重岡の顔は赤い。
照れてるん？
それとも夕日のせい？
どっちでも、いいか。
やっと想いが伝えられたんやもん。
愛じゃなくても、
恋じゃなくても、
重岡を思う気持ちはちゃんとあって、
ずっとずっと考えて、
でもやっぱり
この気持ちは"愛"やと思う。
想いが通じるって、
こんなに幸せなことなんや。
今の気持ちを言葉で表すなら、
ブワァーーーー
かな(笑)
恋を、愛を、
教えてくれたのは、君でした。
ウソツキ / 名もなき感情
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひよこまめ | 作成日時：2021年1月14日 13時
