僕らのはんぶん。 (ページ41)

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その日から、
重岡とはあまり話さなくなった。

話さないっていうか、
周りに女の子がおることが多くて、
2人で話せんっていうのが正解かな。

胸が苦しい。

そんで、
物がよく無くなるようになった。

重岡と話さなくなった代わりに、
神山くんがよく話しかけてくれて、

「最近変わったことない？」

なんて聞いてくれるから、

「最近、無くしものが
多くなりました(笑)」

って笑ってた。

そしたら、無くしたものを
神山くんが貸してくれた。

園芸部の人が水やりしてた時に、
私が花壇の近くを通ってしまって、
服がびしょ濡れになったときは、

「うちの学校、園芸部なんてあったか…？」

って、顔をしかめながらも、
神山くんが体操服を貸してくれた。

それから、
教科書が教室のゴミ箱に捨てられてたり、
上履きが隠されたり、
目に見えて分かる嫌がらせを
される様になって。

あ、物がなくなるようになったときから、
嫌がらせされてたんだって気づいた。

アホすぎやろ(笑)

神山くんはさりげなく
助けてくれてたんだ。
すごく優しい人。

たまに、無くなった上履きが
靴箱に戻ってたり、
破られた教科書にテープが貼られて
机に入ってたりして、
神山くんにお礼を言うと、
「俺はやってないで」
って言われることもあった。

神山くん以外にも
助けてくれてる人がいるんだ。

誰か、分からないけど。

いつからか、少しずつ重岡から
話しかけてくれる様になって、
気にかけてくれてるんだって
嬉しくなった。