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あの日、神ちゃんに手紙を渡してほしいと言われて、
断ることもできず、頷いてから、3日。
神ちゃんはダンススクールに通ってて忙しいから、なかなか話せずにいた。というのは口実。
その3日の間、
Aから帰り際に、
「渡してくれた？」と聞かれる。
「ごめんな、今日もタイミング合わんかってん」
これは半分ほんとで半分うそ。
ほんとは昼休みに教室に行けば多分会えるし、
でも、行っても気まずくて話せへんやろなとも思う。
俺の気持ちの整理の問題。
それを知ってか知らずか、
「渡せる時でいいで」
と笑ってくれるA。
この３日間、嬉しいのか悲しいのか
Aとずっと帰るタイミングが同じで、
話しながら帰っている。
好きな人から、好きな人の話を聞くのはキツい。
好きになったキッカケも、
いつから好きなのかも、
どんなところが好きなのかも。
やけど、頼ってくれるのが嬉しいから、
いろいろ聞いてしまって、
君の気持ちの大きさに気づかされた。
俺やって、
君への気持ちの大きさなら負けんけど、
伝えたい気持ちも、苦しい気持ちもわかるから。
本当は君の好きな人になりたかったけど、
君を近くで支えられる、ずっと見ていられるのなら、
生まれ変わっても、俺は俺になりたいと思う。
神ちゃんが知らない顔を
俺はたくさん知ってるんや。
それなら、ずっと近くでいられるのなら、
俺は君の幼馴染でいよう。
君の好きな人に気持ちをしっかり伝える。
大丈夫。
Aの一途な想いはしっかり
受け止めたはずやから。
「神ちゃん！
これ、Aからの手紙！
読んだってや〜！」
君が幸せになりますように。
帰ってから
こっそり1人で泣き叫んだ。
俺は、君のヒーローになれたかな。
遊助/ライオン
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作者名：ひよこまめ | 作成日時：2021年1月14日 13時
