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今日は授業が始まっても、
小瀧が来ない。
風邪とかで休む日は
いつも連絡くれるのに。
おかしいなぁ。
小瀧と仲がいい
隣のクラスの藤井くんに聞きに行こう。
「え、望、まだ来てないん？」
藤井くんは驚いている。
「来るって言ってたんですか？」
「いや、学校くるときばったり会って、
忘れ物したから取り帰るわー言うてて、
やからてっきり、1限の途中には
もうついてるんやと思っててんけど…」
小瀧に限ってサボりは有り得ない。
真面目だし、
私に会いたいから学校来てるようなもんって
言ってたこともあるし。
ってなに、自惚れてんの私！
冗談に決まってる。
「とりあえず、連絡してみます」
「おん、またなんか聞いたら教えてや
俺も電話かけてみるわ」
藤井くんの教室を後にして、
廊下で電話をかける。
Prrrrrr… Prrrrrr… ガチャッ
「あ！小瀧？今何して
『この電話は、現在使われておりません…』
…え？」
使われてない…？
携帯が壊れたのだろうか。
それか、マナーモード…？
でもマナーモードだったら
違うアナウンスが流れるはず。
「小瀧ママの電話番号知らないや…」
結局どうすることも出来ず、
半日が過ぎた。
まだ、小瀧はこない。
風邪かな…帰りにお見舞い行こう。
昼休みが終わりに近づいた頃、
知らない番号から電話がかかってきた。
「もしもし…」
『あ、Aちゃん…？
私ね、望のお母さんなんやけど…』
小瀧ママだ。
なんだか、いつもより声のトーンが低い気がする…
「いつもお世話になってます！
こた…望くん、今日お休みですか？
帰りにお見舞い行っても大丈夫ですか？」
『Aちゃん…』
小瀧ママの声が小さくなった。
心なしか、声も震えている気がする。
なんだか、胸騒ぎがする。
聞きたくない。
「小瀧、何が好きですかね？
こないだバニラアイスが好きって言ってたんで、バニラアイス買っていこうかな、アイス食べれそうですか？」
焦りすぎて、ママとの電話なのに、
小瀧って言ってしまった。
『Aちゃん、あのな、
落ち着いて聞いてな』
どうしたんだろう。
頭が回らない。
「…はい」
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作者名：ひよこまめ | 作成日時：2021年1月14日 13時
