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「もう追ってきて無いんじゃない?」
「…っおう、…」
「あははっ、疲れてるじゃん」
「当たり前だ馬鹿野郎…」
まだ騒がしいかぶき町に着いてからやっと地面に降ろしてもらった。
「さ、行きましょ」
「さっさと決めろよ…明日も仕事だし
それに早く帰んねェとさっきからずっと電話かかってきてる」
マナーモードにしているようだが、さっきから何度も携帯を触ってはしまってを繰り返していたのはそのせいらしい。
「ん〜、あの店はどう?」
「どこでもいい、早く決めろ」
*
土方side
「_____大将〜おかわり〜!!」
「アホか飲みすぎだ!」
「はァ〜!?…あんら1杯しか飲んでないじゃんら!」
店に入って数時間、勢いよく飲み始めたAはあっという間に呂律が回らなくなっていた。
「彼氏さんの言う通りだよ、辞めときな姉ちゃん」
「あ、気付いたあ!?こいつ私の彼氏!!」
引き寄せるように方を組んで店主に絡むA。
「かっこいいでしょ〜?こいつ顔だけは良いからさあ」
「…おい、もう帰んぞA」
「待っ、ねえまだ飲むの…っわ」
席を立った途端ふらついて転びそうになるAを受け止める。それにしても周りの客の視線が痛い。
「っぶねェな…親父、会計頼む」
「はははっ、はいよ。兄ちゃんも大変だなあ」
会計を済ませ、大きい声で見送る店主を後に脚をふらつかせるAを引きずるようにかぶき町を歩いた。
「本当に私の事好き?」
「はァ…?」
「私が泣いてたから、仕方無く好きだって言ったんじゃないかって…」
「…んな事酔いが覚めてから考えろ」
「妥協してるなら___」
「おい」
今の発言でAから俺が一体どんな風に見えているのかと考えればそれだけで苛立ちを覚えた。
「もう喋るんじゃねェ、黙れ」
仕方なく、妥協して、なんてそんな訳が無い。
「…ごめんなさい」
隣で静かにそう呟いたAにはっと我に返った。酔っ払い相手に何をムキになっていたんだろうと。
「悪ィ、言い過ぎた。
…とにかく今日は帰ったらすぐに寝ろ。」
「…うん」
慣れない雰囲気にお互い気まずくなりながらも屯所まで少し急ぎ足で帰った。
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時