42 ページ42
「…っうう…っ」
何分か経ってから、やっと落ち着いてきた。
「やっと落ち着い___」
「た、他言無用だから!!」
「っお、おう…」
土方に回していた腕を離して目を見てそう言った。
「つーか言う訳無えだろ…。」
「日頃の恨みで…とか有り得る…し」
「そりゃまあ無ェと言っちゃ嘘になるが…お前俺の事そんなに信用ならねえか」
「逆に誰が自分の事嫌いな奴を信用するのよ」
「嫌い…って、お前を?…俺がか?」
「だ、だってそうでしょ?」
普段からいきなり刀投げたり飛び蹴りしに行ったりして、偉そうな口叩いて優しくした事なんて1度も無いんだ。私なら嫌いになるし。
___と、そんな事を考えていると視界がぐるっと回った。
後頭部には軽い衝撃が来て
土方は今私の上に居る。
「(お、押し倒された…?)」
起き上がろうとすると、手を掴まれてまた倒される。
「俺のどこ見て嫌われてると思ったんだ?」
「っ何してんの、」
「良いから答えろ」
「…それは…わ、私は性格悪いから…」
「そんだけならそりゃお前の思い込みだ」
「っな、なら私の事好きだっての!?」
ここまで来て中途半端に優しくされるのも御免だ。
思い切って突き放すなりすれば良い、そう思っている時だった。
顎を手に取られ、そのまま強制的に目線を合わせられた。
「…そうだな」
「…は、…?」
土方の声がいつもより頭に響く。
思考が上手く回らない中、土方が大きくため息をついて私の顔のすぐ隣に床へ顔を伏せた。
「……悪ィかよ」
目線を少し横にして見てみれば、土方の耳が耳が赤くなっていた。
それを見て色々と状況を理解していった。
さっき私を抱き締めたのも、ずっと背中を摩ってくれたのも今のこの状況も当たり前ではない。
「(私は、どうしたら…)」
人にすきだと言われたことなんて無い。
私も好きだと伝えれば良いのだろうか。
好きだといえば、その後は?
いくらこんがらがっても土方は起き上がってこない。
「わ、私…は」
土方と近距離にあるせいで心臓の音が聞こえているんじゃないかと更にドキドキしてしまう。
____でも、今目の前に居るのは私の事が好きな土方だ。
恥ずかしさを押し殺して土方にまた手を回した。
225人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時