32 ページ32
_____と、なんだかんだ3人で見回りに行くことになった。
「Aが居ないとやっぱり寂しいもんだなあ」
「俺も狙う頭の数が少なくなりますしねィ。中々退屈でさァ」
「土方さんは寂しくねェんですかィ?」
「あァ?」
「やめろよ総悟〜、トシったらああ見えてウブなんだよ?」
ニヤニヤした近藤さんのダル絡みも何となく避けて反応しないようにした。勢いで着信拒否までしたんだ、今更寂しいなんて言えるわけない。
と、そんな時近藤さんが突然声を上げた。
「…あ、あれ!Aじゃね!?」
「本当だ。噂をすれば、ですねィ」
近藤さんが遠くを指さすその先にはお偉いさんであろう幕臣に護衛のA。あの幕臣はきっとAがいつも”上様”と呼んでいる者だろう。
そんな近藤さんの声に気付いたのか、Aがこちらを見た。
「A〜!」
近藤さんが大きな声で呼ぶと、Aは人差し指を口元に立て「しー!」とジェスチャー。そして近くを通りかかった時に隙を見てこちらへやって来た。
「近藤さんの馬鹿、何言われるか分かんないのよ」
「わ、悪い…つい」
「Aさん戻んなくて良いんですかィ」
「言わなきゃいけないことがあってね
さっき決まった事なんだけど」
Aは少し俯いてから俺の目を見た。
「…っ、土方。電話するから着信拒否解除しといて
多分夜、…9時頃に」
「あ?…おう」
それだけ伝えると、Aは戻っていってしまった。
「お、おい!…行っちまった」
「つーか、アンタ着信拒否って何しょうもない事してんですか」
「うるせェな…色々あんだよ大人には」
携帯を取りだし、着信拒否拒否をあっさり解除してポケットにまたしまった。
Aが珍しく焦った顔をしていたせいで総悟も近藤さんもどことなく難しい顔をしているように見えた。
「上様にストライキでもする気なんだろうか」
「ほぼ攘夷浪士じゃねーか、んな訳無ェだろ」
「(悪ィ話じゃなけりゃいいけどな…)」
振り返れば、もうすっかり遠くに行ってしまったAがまだ思い詰めた表情をしているのだった。
*
あれから何時間かして、またしょるいとにらめっこをしていればもう晩飯の時間らしい。
食堂に足を運び、いつもの場所に座る。
「あ、いたいた。土方さん」
そう言って俺の隣に座ったのは総悟だった。
225人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時