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その後、部屋を出て扉付近で飯田と暫く待機することになった。
「暗い顔だね」
「当たり前よ。まだ引き受けた仕事も残ってるし、それに…」
「それに?」
「…自分の家族みたいな存在に数年ぶりに会えたのにたったの数週間で、それもいきなりなんて自分勝手も大概にしろって話よ」
「でも今の真選組なら上様の権力じゃそう消せない
断ってみるのもアリだと思うけど」
「そう、ね…」
でも私が断って了承されたとしてもきっと土方は行ってこい、って言うんだろう。
私情を優先するななんて説教されそうだ。
「(最後に喧嘩なんかしなけりゃ良かったな)」
*
土方side
「____それで今から…って、聞いてます?」
「あぁ」
「聞いてませんよね副長」
「あぁ」
「…副長!!!」
「っあ、あァ…悪ィ」
山崎の大きな声でやっと我に返る。
Aが護衛に出てからというもの、いつものように頭が回らない。
いつもうるさくて仕事に集中出来ずに苦しんでいたのに、居なくなったら居なくなったでこうも不調になるとは…。
「もう1回言いますよ。
Aさんを刺した犯人探す為に今日から吉原の遊郭に潜入します。
見つかったら直ぐに副長に連絡するんで、応援頼みますね」
「そうか、頼んだ…。」
「大丈夫ですか?朝からずっと浮かない顔してますけど。」
「あァ?うるせェよ、変な所だけ気が付きやがって」
「副長、まさかAさんが居なくなったからって寂しブフォォ!」
「このまま入院してェか
そしたらかったりィ潜入捜査もしなくて済むなァ良いよなあお前も潜入捜査なんて飽きたろ。オラ立てまだ入院とは程遠い怪我だぞ」
「い、良いです俺仕事大好きなんで!じゃあ行ってきます!!」
逃げる様に走っていった山崎、まあ逃げたのだが。
静かになった自室でふと時計を見ればもう昼過ぎ、そろそろ見廻りの時間だ。
脱いでいた上着を羽織って外へ出れば、縁側で気持ちよさそうに居眠りをしている総悟。
「総悟、今日お前も見廻りだろ」
「うるせィやい、俺ァ屯所の中の見回りで忙しいんでィ」
「ふざけた事抜かしてねェで早く用意しやがれ!」
総悟の茶番に付き合わされていると、どこからか近藤さんもやってきた。
「なんだ、お前ら2人とも見回り?俺も行く!」
「仕方ねェ、近藤さんが行くってんなら俺も行きまさァ」
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時