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早いところ捕まえて打首にでもしてやれたらいいが、吉原の件といい相当のやり手なのは間違いない。
下手に動けば何人被害が出るか分かったもんじゃない。
1番良い索は暫くAを表に出さず、俺たちだけで捕まえてしまう事だろう。
「Aは俺達の為に何年も気に食わねェ野郎に仕えてきたんだ。
もうそろそろ自分の事は自分で決めさせてやりてェ」
そもそもあの爺がAが剣術が優れるから、なんて理由で抜き出した訳じゃないのはA以外の全員が分かっていた。
護衛なんてただの口実、結局傍にいい女を置いときたかっただけだ。ただ珍しくAはそんな真意に気付けていなかった様子だが…。
「もう1人で行かせるつもりは無ェ、何処にも」
「…まあそう言うと思ってたが…良かったぜ
トシがそう言ってくれて」
「どういう事だ?」
「手紙が届いてて、連中Aさんをまた護衛に連れ戻そうって気らしいでさァ。
まあ土方さんが俺らと同じ意見で良かったって事でさァ。」
「なるほどな…」
もうとっくに熟睡していたAの顔を暫く見つめた。
すると近藤さんが声音を変えて前のめりになった。
「なぁトシぃ〜、いつから好きだったんだよ〜」
「……」
「江戸に出てからか?武州にいた頃か?それとも…最近…っつー訳では無さそうだし…ん〜」
「……」
「違いやすよ近藤さん、一目惚れでさァ」
「なっ…!!」
「おいおい図星かよトシぃ〜」
「チッ…俺ァ部屋に戻る」
「あっちょ、トシ!!A置いて帰んないでよ!!」
*
Aside
説明しよう、私は起きている。
そしてもうだいぶ酔いが覚めた。
ついさっき機嫌を悪くして土方が出ていった様だが全て話は聞いていた。
「起きてんなら起きてるって言えばいいのに
性格悪ィんですね、Aさん」
「え、A起きてたのかよ」
「……」
ニヤけが止まらない。
何、一目惚れ?それに話してる最中ずっと私の頭撫でてたんだけど?
「いい歳して何ニヤけてんでィ」
「私の事本当に好きなんだなって思っちゃって」
「そりゃ出来たてホヤホヤなんだから当たり前でしょう」
「大人の恋愛はガキに分かんないわよ」
「分かりたくもありやせんよ」
妥協して付き合ってくれてる、なんて心配はただの杞憂に過ぎなかったということだ。
「(でも私がそう伝えた時結構怒ってた気がするなあ…、明日謝っておこう)」
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時