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男はそう言ったっきり、気絶してしまった。



「最上階…って、ここ何階建てよ」




高さだけで見てもに10階、いやそれ以上か…
とにかく上様の安否が心配だ。



とにかく走って上を目指した。


上の階に登る度、浪士が何度も斬りかかってくる。
何人もいるようだ、こんな人数のいる浪士組なら真選組に情報が入るはずだが聞いたこともない。


最近結成したか、もしくは地方で活動していたかだろう。




「(敵が多い、これじゃ最上階まで持つかどうか…)」




体力も削れてきた頃だった。

辺りの浪士は全員倒れていて、久々に静けさが漂う中ある部屋から物音と聞き覚えのある声が聞こえた。




「誰か居る…?」



恐る恐る部屋に近づき中へ声を掛ける。



「っそ、その声は蘆名か!頼む、助けてくれ!」


「上様!」



1回で上様の声だと分かって勢いよく扉を開けば、そこにはもう既に片腕が切り落とされた上様が居た。

部屋の隅には恐怖からか意識が朦朧とした遊女も居る。

そしてそれと、もう1人。
腕を切り落としたであろう、返り血を浴びた男






「飯田、…?」






つい1時間前まで私の隣に居た、飯田であった。







「あんた、何して…」


「電話は済んだ?土方十四郎とか言う奴に」


「…まだだよ、お前が遊郭爆破させたせいで途中で切れた」


「俺じゃないよ、爆破させたのは清河。
俺の仕事はこの将軍家のボンボン殺す事だから」




いつも何を考えているか分からないとは思っていたが、いつもに増して分からない。

ただ私が今やるべき事は飯田を斬ることだ。



「(下手に動けば殺されかねない…ただでさえ体力も削れてきたのに)」



それに、飯田も私と同じように幕府に引き抜かれただけあって剣の才はある。





__刀の持ち方 構え方 目線の動かし方 体の向き。


飯田は私とよく似ている。
体も細い辺り、恐らくパワー型じゃないだろう。




「頭のいい蘆名なら、俺に勝てないの分かるよね」




図星だ。勝てないと心の奥底で勘づいてしまった。




「俺は蘆名の上位互換、だからね。
男の俺の方が力がある、刀の扱いも上手い


飛び抜けた危機察知能力を持ってる代わりに蘆名ったら力はそこらの女の子と変わんないんだから


本当に、蘆名ってただお勉強が出来るだけの子だよ。なんで刀握ってるの?」









こんなに罵られて黙っているなんてらしくなかったが、そうやって笑う飯田になんと言い返せばいいかわからなかった。

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設定タグ:真選組 , 土方十四郎 , 銀魂   
作品ジャンル:アニメ
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時

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