06.笑顔 ページ7
─ トド松side ─
Aちゃんが僕のクラスに編入してきた
嬉しいけど、心配な事がある
《ゲーム》の事を知ったらどうなるんだろう
失望するかな、僕たちに。
良い人って、言ってくれてたのに
僕は頬杖をつき、前の席に座るAちゃんの後ろ姿を眺めた
A「田中さん!よろしくね!」
えっ!?これはまずい!
Aちゃんは隣の席の《おもちゃ》に明るく声かけた
トド「Aちゃん!同じクラスで良かったよ〜!」
僕はAちゃんの肩を掴んだ
Aちゃんは驚いてこちらを振り向く
A「あ!松野さん!今朝はありがとう!」
にっこりと可愛い笑顔で身体ごとこちらを向いてくれた
トド「松野さんって硬いなぁ、名前で呼んでよ!」
僕もにっこりと笑って言った
A「えっと、その声は確か、トド松くん…だっけ?」
Aちゃんは困ったように笑って言う
トド「正解♪」
A「ほっ、良かったぁ!ごめんね?顔はまだ見分けつかなくて…」
Aちゃんは安心してふにゃりと笑った
この笑顔、こっちまで幸せな気分になる笑顔が大好きだ
Aちゃんにはずっと笑っててほしいなぁ…
僕は、すごく愛しく思えて思わずAちゃんの頭に手を伸ばし、くしゃりと優しく撫でた
Aちゃんは不思議そうにこっちを見ていた
トト子「何してるの?トド松くん」
突然、後ろから声を掛けられ、心臓が高鳴る
僕はすぐに手を引っ込めて、振り向こうと思ったけど恐怖で見れないでいた
目を泳がせていると、Aちゃんと目が合った
そして、微かに優しく微笑んで見せた
それからすぐに目を輝かせながらトト子ちゃんのもとに駆け寄った
A「あなたがトト子ちゃん!?」
Aちゃんに詰め寄られて戸惑いながら答えるトト子ちゃん
トト子「…そうだけど」
A「やっぱり!トド松くんが言ってた通り、すごく可愛い!!」
え?僕そんなこと一言も言ってない…
トト子「え〜!やっだぁ!トド松くん、そんなこと言ってたの〜??」
可愛い、と言われて気を良くしたトト子ちゃんがこちらを見ていった
僕は笑顔をつくり、照れ臭そうに頭を掻く演技をして言った
トド「えへ、だって事実だからいいでしょー?」
トト子「うふふ、そうよね!」
トト子ちゃんが単純で良かった
さっきまでの冷たい雰囲気は無くなってる
それにしても、Aちゃんのお陰で助かったなぁ
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←05.編入生
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Noah | 作成日時:2016年1月6日 18時