喧し豚と言われたい 【宮侑】

32 ほな ページ32

・


『分かった？角名くんとは付き合ってないからね？』


「…納得いかんけど。分かったわ」



あ、絶対納得してないやつだ

どうしたものか…



「ほんなら、用はそれだけやから」


『うんわかった』



侑くんと分かれ教室に戻る



そしたら



「なぁなぁ！告白したん？」


『へ？』



な、なんのことだ？



「さっき宮侑とどっか行っとったやん！」


「絶対告白だと思ったんけど…」



2人組の女の子が話しかけてきた
告白なわけ…



『告白じゃないよ？』


「ほな、なにしてたん？」


『えっと、』



え、話さないといけないのかな
角名くんのこと聞かれたなんて言えないし…
あっ！



『宮侑とバレーの話で盛り上がっちゃってさ』


｢へー狙っとるん？｣


『え？』


「ちょ、やめい。質問攻めやで？」


「あんた宮侑のこと好きやのにいいの？」


｢ちょ！黙りや…｣



状況を整理しよう
2人組のうち1人が侑くんのことが好きだと
そして、友達の好きな人が違う女と話してたと
だから、質問攻めにしたと…



なるほど



『れ、恋愛かどうか分からないけど宮侑の顔は好きだよ？』



ここは正直に言ってしまおう



「え！分かるわ！」


『お？』



なぜか共感された
同じ種族だったか…



「かっこいいよな〜」


『うん、ゲス顔かっこいい…』


「ゲス？」


『あれ？違った？』


「うん、違うわ」


『えっと、』



非常に気まずい
誰か助けて




「はーい授業始めるよ〜」




ナイスタイミングで先生がやってきた




『そ、そういう事だから。授業始まっちゃう！』


「う、うん。ほな」


「ほなな」


『ほなほな』




一安心



・

33 俺と角名の問題→←31 勘違い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す