姉という存在。2【WT】

それから4 ページ21

・


それからというもの、地球になれるために1週間寝たりきの状態だった。
その間も秀次は毎日お見舞いに来てはそばに居るだけ。
話すこともない。


「…」

『しゅ、秀次。ボーダー忙しくない？』

「ああ、忙しいけど大丈夫」


絶対確実に米谷くん達に迷惑かけてるな…


『別にもう会えないわけじゃないからさ！秀次のやるべき事をやりなよ』

「…俺のやるべきことは姉さんのそばに居ることだ」


真剣な眼差しで言う秀次に何も言えなくなる。


『…あはは、そっかそっか。嬉しい』

「姉さんはいや…？」

『いやなわけじゃないよ！退院したらボーダーの役にも立ちたいし』

「…やっぱり、姉さんボーダーに勧誘されたんだね。やめな」

『え、やっぱり…』


ボーダーに勧誘されたことを噂で聞いたのかな。


｢姉さんにこれ以上危ない目に合わせたくない｣

『…(過保護すぎない？)』

「あいつ…迅さんにも言ってある」

『なんて？』


嫌な予感がする


「"姉はボーダーに入りません"って」

『そっか〜。そうだ、迅さんをあまり嫌わないであげて…？』

「なんで…っ？」

『なんとなく』

「姉さん、あいつが助けなかったから姉さんは近界(ネイバーフッド)に行ったんだよっ！？」

『違うよ。迅さんのせいじゃない。秀次のせいでも無い。』

「…でもっ！」

『秀次。私はここにいるよ。もう誰かを恨んだり嫌ったりしないで…』

「…っ、うん」


時々、昔の話をしたり迅さんの話をしたりすると怒る秀次。
自分を責めたり憎んだりして…



秀次には秀次らしく生きててほしい。




・

それから5→←それから3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す