姉という存在。2【WT】

大規模侵攻15 ページ17

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ハイレインは三雲が持っていたキューブに触れる。


「く、」


「これは、違う。ただのトリオンキューブだ。替え玉か…恐らく、あの時の攻撃で替え玉を」


「時間がありません、隊長。」


「仕方ない、"金の雛鳥"は放棄する。発進まで船の門(ゲート)を回せるか？」


「はい、ヴィザ翁を回収します。ヒュースは、いかが致しますか？」


「ああ、"金の雛鳥"を逃した以上ー予定どうりヒュースはここに置いていく。…A？なにをしている、早く船に乗れ」


『…私はここに残る。』


「は…？」


トリガーを解除し、生身に戻る。


『ここは私の故郷。もう、離れない』


「…そういう事か。お前、俺たちを利用したな」


「…A」


「殺す…」


「…隊長、緊急発進まであと10…」


「チッA…お前を忘れないからな。」



『…っ』



大きな穴が閉じる。ハイレインは憎しみの籠った顔で最後の言葉を掛けた。




太陽の光が三門市を照らす。
終わりを知らせるサインだ。



『(帰ってきた…)あ、三雲くん…』


「メガネ先輩…大丈夫ですか！？…え！近界民(ネイバー)！？」


「な、帰ったんじゃなかったのか！？」


『あ、私は近界民(ネイバー)じゃないよ』


そう言うと、フードを外す。


「…(秀次…？似てるなあ)」


「て、敵じゃないってことっすか？」


フードを外した姿を見て、米屋と夏目は戸惑う。


『それより！この子が！』


「やべえな、血が出すぎだろ。傷だけ縛って基地の医務室に運んじまおう」


『私も手伝う』


「…おう」


「…うっ、待って…」


運ぼうとすると、三雲が話しかける。


『(千佳ちゃんのキューブかな…ここは米屋君たちに任せよう)手当は任せて…』


「(信用していいのか分からないな…けどこの人生身っぽいし…)分かりました、」


「っす！」


こうして、米屋と夏目は雨取キューブを探すことに。



『…ごめんね、ごめん。知ってたのに…こんな痛い思いさせて…』


「…ぅっ…」


三雲は意識が遠くなっていく中、Aの泣き声と"ごめんね"の声が聞こえていた。


「(…なんで、謝っているのだろうか…)」




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