鉄仮面な彼との共同生活 【2】

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『お、尚さん！席空いてます！』



「…人が、、多いですね。」








後ろにいた尚さんに



振り向いて声をかけたが、尚さんの後ろに



大きなお腹をした妊婦さんとその息子さんが



入ってきた所が見えた







『あの！あちらの席空いているので


良かったら座ってください！』





〈 いえ！大丈夫ですよ！


おふたりでお座りになって？ 〉





「妊婦さんはお腹が前方に突き出て


背中は反る状態になり姿勢や全身のバランス、


さらに重心が前後に動き、


体重を支える足のバランスが不安定になります。



さらに左右に揺れるこの状況下で、


席におかけになられた方が姿勢も安定しますし、


少しは楽になるかと思いますが」






〈 は、はい………？〉





『難しいことを言い出しますね、、。


要は、座った方が楽になると思いますよーって


ことです！』





〈 では……お言葉に甘えて座ろうと思います！

ありがとうございます！ 〉



『いいえ！出産はもうすぐなんですか？』



〈はい！9ヶ月目なんです！〉




『そうなんですね！

ボク、お母さんと赤ちゃんのこと

お守りしてるの？？』



《 うん！おまもりしてる！

もうすぐおにいちゃんになるんだもん！ 》




『おお！偉いぞ〜！いいお兄ちゃんだ！

これからもお母さんと赤ちゃんのこと、

しっかり守っていくんだぞ！』




《 うん！

おにいさんもおねえちゃんのこと

まもるんだよ！ 》





「……！？……そう……だね。」



『ふふっ、笑』




〈 色々とすみません、、


ありがとうございます！〉





お互いにペコペコと会釈をして、



妊婦さんと息子さんが


座られたことを確認して、



近くに通路ではあるが


入れるスペースがあったため、



そちらに移動して窓の外の景色をぼーっと


見ながら立っていた






けれど、電車だから、、





『うおっ！！！っと！』





揺れるため、

ぼーっとしていたら前後によろけてしまった




幸い他の方にぶつかるということは


なかったが、


揺れる電車にバランスがとれても


多少よろけてしまう





「Aさん、ここ掴んでてください」



『いや、尚さんが

巻き添い食らっちゃいますよ！？』



「大丈夫です。掴んでいるので」




尚さんは席の所についていた

取っ手のところを掴んでいた




『はい………。じゃあ、失礼しまーす』




尚さんは服の裾を引っ張って

持つように指示をして、

私は恐る恐る裾を掴んだ

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