_般若_ ページ9
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「ねぇ、この人は君たちの…」
炭治郎は顔を歪めながら、ゆっくりと二人に声をかける。
…お願い、違って欲しい。お願い…。
「違う…兄ちゃんじゃない…兄ちゃんは柿色の着物を着てる…ッ」
「柿色…、そっか、お兄さんだけじゃなくて他にも何人か捕まってる…。倒さないと、絶対に。また、犠牲者が出る前に…」
「あぁ。A、善逸、行こう!」
「うん。」
今すぐにでも戦う気満々のAと炭治郎を交互に見ながら善逸は青ざめた顔で、顔を横にブンブンと振る。
「……。」
そこで黙る炭治郎。どこか様子が…
「えっちょ、炭治郎…ッ」
Aが覗き込んだ炭治郎の顔は、般若の様なものすごい顔をしていた。そんな顔をするほど怒っているのか、炭治郎をそんなにさせるまでした善逸を、また呆れながら見下ろすA。
「…そうか、わかった。Aいこう。」
「う、うん…」
ガシッとAの腕をつかみ屋敷へと足を向ける炭治郎。Aは引っ張られたまま、少しずつ歩幅を合わせようとする。
「ヒャーーーーーッ!!何だよォー!!!?なんでそんな般若みたいな顔すんだよォーーーッ!!!!?Aも呆れたような顔で見下ろすなよォッ!!!?行くよォーッ!!!」
「ちょっ、ぜ、善逸!!!」
あろうことか善逸はAにものすごい力でしがみつきそのままズルズルと引っ張られていく。Aも止まろうとしたが炭治郎に手を引かれているため止まることができない。
「無理強いするつもりは無い。」
「行くよォーッ!!!!」
「炭治郎!!ちょっと待って…」
炭治郎はぴたりと足を止めると善逸の頭に拳を降らす。
ゴチンと鈍い音がした。
「Aを困らせるなッ!!!」
「炭治郎!私は大丈夫だから!」
痛そうに頭を抑える善逸の頭を少しよしよししてあげるとすぐ泣き止んだ。男って単純だ。夜蝶さんが言ってた。((
Aの羽織に着いた土をパッパと払い綺麗にすると、炭治郎は二人の元へ向かい、そっと禰豆子のはいった箱を置いた。
「もしもの時のために、この箱を置いていく。何かあっても二人を守ってくれるから。」
「そうそう、この子がいれば大丈夫だからね。」
「じゃ、行ってくる。」
そう言うと、三人は再び屋敷へと足を進めた。
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麗(プロフ) - 14ページ 突然洗われたではなく突然現れただと思います (2020年10月11日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
華鈴(プロフ) - 桃サイダーさん» 桃サイダーさん、、!!ありがとうございます^^柱の中で、主人公ちゃん噂になってるかもですね…(^v^) ぜひ、この先も楽しみに待っていただければなと思います! (2020年6月8日 21時) (レス) id: f0401eab42 (このIDを非表示/違反報告)
桃サイダー - 復活できてよかったです。そしていよいよ那田蜘蛛山編かぁ。そろそろ義勇さんとしのぶちゃんが登場するかなぁ?柱の皆さんの中でちょくちょく噂になっていて気になる子がいるみたいな感じになるのかなぁ。 (2020年6月8日 15時) (レス) id: cbf2964e00 (このIDを非表示/違反報告)
華鈴(プロフ) - なのはさん» コメントありがとうございます( ; ; )!!これからも頑張りますのでよろしくお願いします○┐ペコ (2020年6月6日 22時) (レス) id: f0401eab42 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新楽しみです! (2020年6月5日 3時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華鈴 | 作成日時:2020年4月29日 12時