_色と匂いと音_ ページ8
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「A、炭治郎、なぁ…この音なんだ?」
音。善逸はさっきも音がなんとかって言って
た。
鼻が利く炭治郎や、目が良いAのように善逸も耳が良いのだろう。
片耳を抑えその聞こえてくる音に顔を歪めながら屋敷の方を見ている。
「気持ち悪い音…ッ。ずっと聞こえる。鼓か?これ。」
「えぇ、屋敷からは変な色が見える…。」
「音?色?善逸、A、俺にはなにも…」
_____ポンッ、ポンッ
屋敷から突如聞こえた鼓の音が辺りに響く。
____ポンポンポンッ、
_ポンッ
最後の音が聞こえてくる前、Aの目にあるものが映った。
「見ないでッ!!!____ポンッ」
最後の鼓の音が聞こえた時、屋敷の二階の窓から血塗れの男性が落ちてきた。Aはその男性の姿が見えないよう、ガバッと子供たち二人の視界を塞ぐようにきつく抱きしめる。
「「!!!」」
「お、おにいちゃ…ッ」
「見てはダメッ!!!」
見てはダメ。今
見たら、もっと怖い思いをさせてしまう。
Aはカタカタと震えだした二人をさらにきつく、優しく抱きしめる。
「大丈夫ですか!!!?しっかりッ!!!」
炭治郎は血だらけの男性に駆け寄りそっと抱き起こす。
男性の傷は深く、傷口からとめどなく血が溢れだしている。
「でら…せ、せっかく…出られた、のに、…外に、出られたのに…死ぬのか…俺、死ぬのか…ッ」
「ッ…!!」
あまりにも、その声が姿が悲惨で、Aは思わず目を瞑ってしまった。
男性はそう言い残し、息を引き取った。
炭治郎は冷たくなった男性を悲しい目で、悔しそうな顔できつく抱きしめる。
_______グオオォオオォオオッッ!!!!
炭治郎がこちらに向き直り声をかけようとした瞬間、屋敷の中から不気味な声が響き渡り、地面を揺らす。それと同時に、あの鼓の音も聞こえてくる。
…屋敷の鬼ッ、さっきの人も、あの鬼に…?
…私がもっと早く、来れていれば。
もっと早く屋敷の中へ入って見つけていれば。
____助けられたのに。
「…ッ、ごめんなさい、大丈夫、大丈夫だからね、絶対守るから。」
溢れ出そうになる涙をグッと堪え2人を抱きしめる手をギュッと握った。
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麗(プロフ) - 14ページ 突然洗われたではなく突然現れただと思います (2020年10月11日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
華鈴(プロフ) - 桃サイダーさん» 桃サイダーさん、、!!ありがとうございます^^柱の中で、主人公ちゃん噂になってるかもですね…(^v^) ぜひ、この先も楽しみに待っていただければなと思います! (2020年6月8日 21時) (レス) id: f0401eab42 (このIDを非表示/違反報告)
桃サイダー - 復活できてよかったです。そしていよいよ那田蜘蛛山編かぁ。そろそろ義勇さんとしのぶちゃんが登場するかなぁ?柱の皆さんの中でちょくちょく噂になっていて気になる子がいるみたいな感じになるのかなぁ。 (2020年6月8日 15時) (レス) id: cbf2964e00 (このIDを非表示/違反報告)
華鈴(プロフ) - なのはさん» コメントありがとうございます( ; ; )!!これからも頑張りますのでよろしくお願いします○┐ペコ (2020年6月6日 22時) (レス) id: f0401eab42 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新楽しみです! (2020年6月5日 3時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華鈴 | 作成日時:2020年4月29日 12時