となりの席の坂田くん。【あほの坂田。】

nineteen. ページ20

文化祭の準備は着々とすすんでいた。

外装、内装、出しもの、着付け関係とやることはたくさんだが、クラスのみんなで朝や放課後に集まってわちゃわちゃ準備をすすめるのすごい楽しかった。

みんな部活や塾がありながらも、合間あいまで積極的に参加してくれた。




そ｢齋藤ー。坂田ー。2人ちょっと来て。｣


そらるんに呼ばれ、2人で化学準備室に向かうと、男物と女物の浴衣がそれぞれ1着ずつ用意されていた。


そ｢おーきたきた。てことで、はいこれ試着して。｣

『え？私たち二人だけですか？』

そ｢うん〜。他の奴らは1日準備の日に順々で着せようと思ってるんだけど、お前ら文実2人は色々忙しいだろ？｣


確かに、1日準備の日はめちゃくちゃ忙しい…。

2人とも納得し、それぞれ試着室…………とよんでいいかわからない、大きな紙でしきられた場所で着替え始めた。

坂田にはそらるんが、私にはそらるんの妹さんが着付けの手伝いをしてくれた。

そらるんの妹はとても気さくな方で、ガチガチの緊張もお話することで少しずつほぐれた。







無事試着を終え、先に終わっていた坂田と教室に戻った。


坂｢文化祭楽しみやな！｣

『うん！めっちゃ楽しみ！』

坂｢女子の浴衣、超楽しみ〜♡♡｣


坂田の一言に、少し複雑な気持ちを抱いた。

『そうだね〜』なんて、我ながら素っ気ない返しをしたと思う。
でも今の私には精一杯だった。


坂｢うん。せやから、楽しみにしとるな？｣


坂田が私の顔を覗き込みながらそう言って、にかっと笑った。

そしてルンルン気分で教室の扉を開けた。









(なにそれ…///)


不意打ちな行動に顔の赤いのが全然取れず、しばらくそこにたたずんでいた。

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