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『勝手に話作んないでよね、どっちの家族とも関係は良好なので。……あ、皆はどんな仕事してんの?』
佐「俺はダンサー!」
『ダンサー!?中学の時は獣医さんとか言ってなかった…?』
佐「んー、俺体育は壊滅的だったけど、なんかダンスのセンスはあったみたい。そこら辺のイベントとか、ちびっ子にダンス教えたりなんかもしてる。」
『さ、さっくんが子供に……』
渡「俺は儲からない喫茶店!」
『…うん、分かってる。あのクオリティのコーヒーをあの単価で出すなら、もっとお客さんの回転数上げなきゃ儲からないでしょ』
渡「はぁ?うちはな、ずるずる長居できるのがいいとこなんだよ」
『お店の張り紙もどうなの?相談乗ります、だっけ。
誰かの話聞いてたら翔太しか店員いないんだから、他のお客さんに目配れなくない?』
渡「たまに阿部ちゃんか佐久間手伝いに来てくれるし。…たまにだけど、
それにおはなし、ききます、な」
『同じでしょ』
渡「違う。俺、聞くだけだから。相談は無理」
言われてみれば、ちったんに対する翔太の態度はまさしく"聞く"だった気がする。
渡「ばあちゃんの方針だから、ちゃんと守んないと。
お客さんの話を聞くのはマスターの大事な仕事。ただし、聞くだけ。助言はしちゃダメって」
『なんで?』
渡「助言は求められてないから。本気で困ってて、相談したいなら、喫茶店じゃなくて別のとこ行くって」
なるほど。
徳子さんは翔太とは違って聡明らしい。
『…でもさ、あの女子高生の話は…やばいストーカーだと思う』
渡「あ、それは大丈夫」
ずいぶんとあっさりした返答。
話していなにが大丈夫なのだろうか。阿部ちゃんもさっくんも口出ししないから、本当に大丈夫なんだろうけど…
渡「ちったんの件は大丈夫って分かってる。だから聞くだけでいい。
……つーかさ、もっとぱーっと祝おうぜ?俺がこうして歓迎会をしてやってんだし」
『はぁ』
渡「ほらっ、お前、カレーもんじゃかモチもんじゃ、どっちがいい?」
『…じゃあモチ』
渡「おじちゃーん、カレーもんじゃ一つ!」
佐「あっ、ベビースター追加ぁー!」
「あいよー」
人の話を聞いているのか、聞く気がないのか、聞いていて逆らうのが楽しいのか。
ニヤニヤしている翔太を見て、一番最後の可能性が高いと思った。
……ほんとに、こいつ…
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作者名:みたらし | 作成日時:2023年8月8日 19時