オレとオマエ、睨み合い中。【青】 (ページ15)

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渡「んでさ、なんで阿部ちゃんだけ連絡とってたわけ？」

阿「俺さ、大学は県外受験したじゃん？そしたらそこにAがいたの」

『いやー、あれはほんとにびっくりした』

佐「そんな奇跡ある！？」

『でも阿部ちゃんがいてくれて心強かったよ』

佐「俺ら高卒だもん。翔太、これが頭脳の差なんだよ…」

渡「やめろ佐久間」

『私、スマホ持ち始めたのは高校からだったし。

で、阿部ちゃんと連絡先交換して…なんやかんや色々相談とか乗ってもらってさ。もちろん、今回の引越しの件もね』

阿「まぁ今回の件は、半ば仕組んだというかなんというか…」

そう言ってまた苦笑いしながら、ちらっと翔太の方を見ていた。

仕組んだ？

阿「俺は結局県外の大学に進んだけど、色々考えてやっぱ地元に戻って塾講師してさ。

そしたら徳子さんの話聞いて、翔太がヘルプ出してきて…

で、タイミング良くAから引越しの相談が来てたの。」

渡「進学したとき、Aがいたこと教えてくれればよかったのに。そしたら俺らもっと早く集結できた、」

阿「ほら、俺大学に入って携帯料金自分で払うようになって、機種変したからさ。俺らも成人式で交換したじゃん？

それに…ねぇ？あの時は無闇に男の連絡先あげれる状況じゃなかったし。」

げっ、その話をするのか、阿部ちゃん。すっと小悪魔的な表情でこちらを伺う。

佐「なに、監禁でもされてた？」

『いや、違う。＿＿＿＿ふっか、覚えてる？』

渡「…え、ふっかって深澤辰哉？俺と仲良かった？」

『うん。あのね、私実は、……ふっかと結婚してたの』

一瞬、間が生まれた。

「「えええええ！？」」

佐「え、え、え！？」

渡「は、え？だってあいつ、え？高卒…だよな？

……あ、でも親元離れるとかいって県外のとこ内定もらってたっけ」

『うん。住んでたアパートが同じところで……っていうか、もう離婚はしちゃったんだけど。』

佐「えっ！Aバツイチ？俺もバツイチ！！」

とかいって、さらっと爆弾発言。え、さっくんも結婚してたの？

佐「子供もいたんだけど向こうに持ってかれちゃってさぁ～～」

『いや重いわ、てか子供までいたんかい……みんなふっかと連絡とってなかったの？』

渡「社会人生活一年目半ばとかでアイツの両親亡くなって、それっきり。」

確かに、挙式もお互いの家庭環境を考慮して二人だけで小さくやったけれど。