Off The Record (ページ7)

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05 バイオレッタにごきげんようページ7

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同じ課題曲をやるBチームと一緒に振り入れレッスンが始まる。やはりと言ったところかダンスを習ったことがある人たちは、ざっと教えてもらえれば流しながらある程度の動きは入るらしい。
教えてくれる先生を前にその後ろでは無造作に何列かになっているため、オレは黒田くんの少し後ろのほうで先生と黒田くんの動きをみながら、それに倣って体を動かして振りを覚える。
流石は１４歳にしてリーダーというか、すでに振り入れから一つひとつの動きが様になっているようにも見えた。

「じゃあ一旦ここまでで。少し休憩しようか」

先生の言葉がかかってから、皆一斉に水を飲んだり壁にもたれたりなど各々の休み方でくつろぎ出す。チームが決まったってこともあってか、なんとなくAとBに分かれているような気もした。
オレはというと、大してそんなに疲れてもいなかったため、スタジオの隅の方で習ったところまでの振りを軽く通しておさらいしていた。課題曲を鼻歌で歌いながらステップを踏む。

「…そこの手、」

急に後ろから話しかけられると同時に、たまたま振りでゆっくりと振り返るところが重なったため、スローで振り向く。うん？なんかオレに言ってる？言葉が出るよりも先に顔に出てたらしい、黒田くんがもう一回言い直してくれた。あ、やっぱりオレに対してだったんだ。

「…そこの手、多分こうじゃなくて、こう…です」
「こう？」
「はい、…そうです。それで完ペキ」

正しい振りでまた聞き返すと、黒田くんは満足げにうんうんと頷いて笑った。なんだコイツ可愛いな。「ありがと。マジ助かるわー」と感じたことをそのまま伝えれば少し気恥ずかしそうにして小さく首を振ってた。なんて謙虚。カワイイ。

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先生がスタジオへと戻ってきて休憩が終了となった。またゾロゾロと先生の後ろに群がっていく。
こういうのって大抵もともといた場所に行く気がするんだけど、先ほどまでいたオレの場所はなぜかスペースに空きがなかったため仕方なく余裕がある場所へと移動した。

「うわゴメン！」

にも関わらず、ダンスをしてると周囲にぶつかってしまうのはなんなんだ。自分のチームメンバーならまだしも、よりによって相手チームの、しかも見た目厳つい襟足ドレッドくんと手同士がぶつかってしまった。先に相手から謝ってくれるあたり見た目に反して善い人なんだろうと思いつつ、レッスン中なのもあってこっちも渾身の申し訳ないフェイスで手を合わせて謝罪をする。

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