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03 ようこそ、新人類 ページ5




一目見たときに、とにかくオーラがあると思った。


書類選考を経て、応募してくれた子達を初めてこの目で見る第二次審査。
履歴書だけでなく、数多くの原石たちの才能はもちろん、情熱やその覚悟を見ることは重要であると日高は考えていた。ただし、東京以外の子達がリモートになってしまったのは少々痛手ではあったが。

花岡Aは、履歴書上で他の審査通過者と比較しても、何か特筆すべきことがあった訳ではなかった。
紙上で拾えたことといえば、幼少期に歌やダンスを少し経験していることくらいか。あとは、そこらの年若い男の割に、履歴書に綴られた文字は整っていると思ったことは確かだった。









都内某所。二次審査を経ておよそ30名が集められた。順番に彼らの名前を読み上げて、自己紹介と歌唱をパフォーマンスしてもらう。
もちろんそこへ集められたAも例外になく、日高から名前が呼ばれる。皆と同じように返事をしてステージ上へと登った。


日高はこのとき、花岡Aを初めて目の当たりにして瞠目し、思わず笑みがこぼれた。

画面越しにみたときと変わらない姿勢の美しさ。いや、姿勢、スタイルに関しては想像以上であったかもしれない。また、自己紹介をするときの声のトーン、口調から溢れる嫌味のない自分への自信、信頼。大きく息を吸ってから、歌唱が始まるまでの雰囲気の切り替え方。
歌唱自体は少し滑舌が甘いところであったり声量など、まだまだ伸び代な部分も多少は見受けられたが、それ以上に彼の歌唱曲への認識、リスペクトを歌唱というパフォーマンスで既に表現できていることへの驚きと興奮を隠すことができなかった。

それは、Aと同様に集められた椅子に座っている応募者たちも同様に感じていたように日高の目には見えた。同じ立場として悔しそうな顔をする者、まるで同志を見たかのように瞳を輝かせる者、同じ音楽を愛す人として彼と一緒に音を楽しむ者。三者三様でありながら、いずれも正しい反応であると思った。




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作者名:ねむる | 作成日時:2023年11月7日 2時

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