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画面が切り替わって周りのスタッフさんからのお疲れ様でしたー、の声掛けで会場を後にする。

パフォーマンス後はもはや何を言われていたのかすら覚えていないけど、すごく嬉しいことを言ってもらったってことだけ。
今まで、ライブやテレビ画面でしか見たことがないプロのアーティストに自分のパフォーマンスを見てもらったってだけで身が震えるほどの感激だ。そして、最後の日高さんからの言葉的に、とりあえずオレの始まったばかりのオーディションは悪い手応えではなさそうってこと。
今はこの達成感だけで、会場を出ただけの廊下ですらうっかりガッツポーズでもしたいくらいの勢いであることは間違いなかった。

方々にいるスタッフさんたちに、ありがとうございましたー、とあちこち頭を下げる。待機所へ戻ろうとするとカメラを持ったスタッフさんに声をかけられた。そういえば、動画になるんだっけ。


「どうでした?」
「良かったです、めちゃくちゃ気持ちよかったです」


口をついたように言葉が出る。
あれこれ変な意味になってないよな、と思ったときには既に遅かった。カメラの奥にいたスタッフさんが可笑しそうに笑ったので慌てて弁明する。


「あ、イヤ!えっとそういう意味じゃないですよ!?」
「どういう意味でした?」
「あのー、良い感じの緊張感でやれたかなって思います。ありがとうございました!」


スタッフさんがオッケーサインをカメラの奥で見せてくる。それに反応するようにサムズアップして言葉を締める。
これでひとまず今日は終わった。インタビューしてくれたスタッフさんにもまた一礼をして荷物があるところへ再び歩き出す。先程までいた夢の空間を思い出して少しニヤけてしまう。これからどんなことが起こるんだろうか。

日高さんの言葉を思い出して、またすぐ会いたいのはオレのセリフでもあると思った。



03 ようこそ、新人類→←02 もうじきの申し子



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作者名:ねむる | 作成日時:2023年11月7日 2時

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