私だけの物語 (ページ6)

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……………やってしまった。
いや、まだ、ギリギリ大丈夫だろう。

何をやってしまったかって？
持ってきた本の上巻を忘れ、中巻から読もうとしてしまった
いやぁ、すぐに気づいてよかった。
………本当に良かった。

上巻がないとなると、持ってきた本を読み進める事が出来ない。

しょうがない、図書室で上巻を探そう。
なかったら他の本を借りて読もう。
時間はたっぷりあるし、短めの本なら朝のうちに読み終わるだろう。

一応大事なものをパーカーのポケットにいれ席を立つ

少し寒い廊下をパーカーのポケットに手を入れながら歩く
途中、元気な掛け声が聞こえる。

「サッカー部の声かな」

廊下の窓から校庭を見渡す

「今の、シッマさんだったんだ」

声の主はさっき話していた捏島さんだった。
1番大きくてハキハキしていて、聞いているだけで元気になるような。

あ

また目が合った。そんな気がした。
うーん。手を振っとくか

ﾌﾘﾌﾘ

目が合ってない可能性もあるけど、まぁ、いいだろう
周りには誰もいないし。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「先輩どうしたんすか。いきなり校舎ガン見して」

「いや、ちょっとな」

「キモいんでちゃんと集中してください」

「キモイとはなんや！！別に関係ないやろ！！」

「関係ないっすけどガン見はキモイっす」

「別にええやろがい！！！！」

「うるさっ…ちゃんと集中してくださいよ」

「〜〜〜!!」