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DEAD APPLE 第二章〜夜明けはまだ…〜 ページ16

龍が消えた光の中心部では、
浮かぶ太宰の遺体に中也が肉薄していた。
全身から血を流しながら、
中也は拳を握りしめ、振りかぶる。
振りぬいた中也の拳が、太宰の頰を殴り飛ばした。

乱暴な仕草に、
太宰の背中からナイフが抜け落ち、
何かが弾けた音がした。
音の正体は白と赤のカプセル。
それが太宰の口の中で潰れ、
中の液薬が太宰の喉を通り抜けた。

やがて、
汚濁に侵され、獣のようになった中也の頰に、
長い指が触れる。
途端。中也の異能が無効化された。

太「私を信じて『汚濁』を使ったのかい?
泣かせてくれるね………」

中「ああ、信じてたさ。
手前のクソ忌々しい生命力と悪知恵をな。」

殴られた頰をさすりながら太宰は薄く笑った。

太「白雪姫を目覚めさせるには、
少々乱暴な方法だったね。」

中「殴られるのを見越して、
口の中に解毒剤を仕込んでやがったくせに……」

龍の残滓である光が徐々に消えていき、
太宰の体は骸砦の残骸へと降り立ち、
さらにその上から中也が落ちてくる。

折り重なるようにして
太宰の上に乗ってしまった中也が、
苛立たしげに眉を寄せ、力が入らない体を必死に
動かし、太宰の上から去ろうとする。
放しやがれ、
という中也の囁きは太宰によって封じられた。

太「動くな。」

中「ああ?」

太「霧がまだ消えていないようだ。
この状態で君の異能から君を守るなんて状況は
御免こうむりたい。」

中「………まだ終わってねぇのか。
くそ……もう指一本……動かせ、ねぇ、ぞ」

それが限界だったのか、中也は気を失う。

太「ここまでは読んでいた………
けれどこの先は彼ら次第だ。」


夜はまだ開けない。宴はまだ終わっていない。
龍は静かにかたちを変える。

DEAD APPLE 第三章〜異能を取り戻す者たち〜→←ポートマフィアの穏やかな日 (番外編の番外編)


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モルカ(プロフ) - 山吹桜さん» 了解しました。リクエストありがとう御座います!! (2018年9月17日 7時) (レス) id: 35de75094a (このIDを非表示/違反報告)
山吹桜 - リクエストで猫耳&尻尾が付いて、切島君とイチャイチャして欲しいです!! (2018年9月16日 23時) (レス) id: 6d19b82d66 (このIDを非表示/違反報告)
モルカ(プロフ) - ヒカルさん» 喜んでいただけてなによりです。またのリクエストお待ちしてます!! (2018年9月8日 21時) (レス) id: 35de75094a (このIDを非表示/違反報告)
ヒカル(プロフ) - Σふぉおぉおぉおっ!!(゜ロ゜ノ)ノ 二度のリクエストをありがとうございましたっ! しかも『二人の英雄』のお話にして頂きありがとうございますッ! (2018年9月8日 21時) (携帯から) (レス) id: 66cf0ac4ec (このIDを非表示/違反報告)
モルカ(プロフ) - 山吹桜さん» 喜んでいただけてなによりです。またのリクエストお待ちしてます!! (2018年9月5日 18時) (レス) id: 35de75094a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モルカ | 作成日時:2018年4月4日 10時

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