幼女が求婚されて困ってます！ (ページ8)

今日:25 hit、昨日:3 hit、合計:35,120 hit

6.我が子との再開ページ8

バタンッ！！

ドアが閉まり、私の前に立った学秀と目があった。

彼はどこからどう見ても息子だった。

まさか……考えたくはないが、触手がどこかに残っていて、その力を手に入れた者の擬態なんじゃ……

『学秀……なのか？

本当にお前は……』

その先の言葉は、目の前にいる息子に抱きしめられた為に、言う事はなかった。

学秀「母さん……会いたかった。」

『学秀……』

ああ、やっぱり息子だ。

私の血を分け与えた子だ。

この感じを私が間違えるはずがない。

『私もよ、学秀……貴方にずっと会いたかった。』

お互いに見つめ合うと、息子は私に甘える様に頬ずりをして来る。

それにしても変な感じだ。実の息子は私よりも背が高く、しゃがんでやっと抱きしめられるようだ。

『学秀、貴方いくつなの？

高校生？』

学秀「そうだよ、高二になった。」

『そう……』

嬉しい。

またこうして我が子を抱くことが出来た。

もう会えないと思っていた我が子に会うことができた。

学秀「母さん……良かった。

母さんに会えて、本当に。」

そう言って息子は私に顔を寄せる。

頬に軽く触れた唇に、思わず私は体がびくりと震えた。

『えっ、あの…が、学秀……？』

学秀「だって今の母さんは僕の許婚だから、これぐらいは良いだろう？」

『えっ、いや……その……』

一応息子なのだが、良いのだろうか。

學峯に知られたら、不味いだろうなと思いながらも、息子の好きにさせてしまうのは、私が学秀を甘やかしていた所為かもしれない。

この子は私の前でだけ、気を許せる様だったから。

学秀「それであの人……父さんはまだ帰って来ないみたいだね。

母さん、少し出かけないか？

久しぶりに母さんと話したいんだ。」

『そうね。』

と言うわけで、私達は出かけることになったのである。