騙し合い【歌い手】 (ページ6)

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好奇心ページ6

mahumahu side

｢なー、真冬さんや聞いとくれや！｣

｢え、な、何？どしたの？優｣

｢あのな！？｣

本部の自室で報告用の書類を書いていると突然、部屋のドアがバンッと開いたと思ったら優が入ってきた

優は入ってくるなり僕の机をバンッと叩き、｢聞いてや！｣と愚痴を零し始めた

僕書類書かなくちゃなんだけどなぁ

まぁ、提出期限は明日だから別にいいんだけど…

｢ちょっと酷いと思わん！？｣

｢あ、ごめん聞いてなかった｣

｢なぬっ！？｣←

ついつい考え事をしていて優の話を全くと言っていいほど聞いていなかった

そんな僕のために2回目の愚痴を零し始める優

｢渉さんって妹おるんやって！
それでその妹がめっっちゃ可愛くってな！？
羨ましい限りで！俺に妹おったっけ！？ってなるやん！！｣

｢え、あぁ、うん？｣

｢そしたら、俺妹どころか一人っ子やから兄弟とかがおらんねん！！｣

｢…うん｣

｢で！その妹ちゃんに会いたいんに渉さんが中々家に帰らんから会えんねん！？｣

｢…｣

｢しかも！？妹ちゃんも仕事で中々家に帰らんから会える確率少ないやん！！｣

｢ち、ちょっと待って？｣

｢はぁ…どしたん？｣

｢あー、息切れ大丈夫？｣

｢大丈夫…やで…｣

｢ならいいけどさ｣

優の愚痴を軽く聞き流していたら気になる所が幾つかあった

まず1つ目

｢その妹ちゃんって何歳？｣

｢確か、今年で14か15のはずやけど…｣

そして2つ目に気になったこと

｢仕事…してるんだよね？｣

｢せや｣

｢その仕事って、渉さんは知ってるの？｣

｢んーん、お互い知らんはずやで｣

｢え？お互いって、渉さんは妹ちゃんの仕事を知らないし、妹ちゃんも渉さんの仕事を知らないってこと？｣

そう聞くと、優は頷いた

…おかしい、幾ら貧民街とはいえ、そんな若い少女を働かせる所なんてそう無い筈…

家に帰れない程って…考えられるのは表で働いているか、或いは黒なのか…

んー、兄妹とかって普通、仕事とかは教えとくと思うんだけどなぁ

僕だって、極力兄さんに隠し事はしないようにしてるし…兄さんも極力していない…

あー、でも義理だと違う…のかな

…ちょっと気になるかもなぁ

｢勝手に調べたら彼方さんに怒られるで？｣

｢平気だよー、バレなければ｣

それに、多分これは兄さんも気になる事だろうし…ね