第23話 ページ27
貴女side
ちらりと横を見てみるとそらるがまふのことを慰めている
どうやらまふは、一度機嫌を損ねると中々直らない性格のようだ
なんとまぁめんどくさい性格を…←
｢ごめんってw｣
｢もう知りませんから！｣ﾌｲｯ
女子力高い…
そして相変わらず仲がいいなぁ
二人が話しているのを見ていると、まるで僕は要らないとでもいうような
突き放されているような感じになる
…被害妄想が激しすぎるか
｢……｣
目を瞑るとあの時の言葉が脳に響き渡る
関わった人全員を殺せ…
殺さなかった場合はアイツらが手を下す…
実際自分の中での選択肢は2つに絞った
1、殺す
2、逃げる
殺したら自分の安全な未来が待っている
逃げたらアイツらに追われる未来が待っている
前の僕なら間違いなく1を選んでいただろう
けど、完全に安全な未来が待っているとは限らない
そう簡単に僕を見逃すはずがない
なら逃げるか？
けど、逃げ切れる保証なんてどこにも…
｢考えるの、やめよう((ﾎﾞｿｯ｣
ここまで考えて頭を横に振った
もうこれ以上は何も考えたくない
そしてふと思いついたことを言ってみた
｢…ねぇ｣
｢…出掛けたい！｣
｢｢…え？｣｣
"今のうちに思い出を作っておきたい"
そういう意味も込めて僕はそういった
こんな化け物に優しくしてくれた
人間の中では珍しいものだ
僕を普通の人間のように扱ってくれて…
いなくなった時は心配して、必死に探し回ってくれて…
沢山のことを教えてくれて…
初めて幸せだって思えた…
初めて生きてて良かったって思えた…
初めて…生きたいって思えたんだ……
まだ殺すか逃げるかはわからない
決まってなどいない
でも、僕は絶対に＿＿＿＿
｢ならストリートの方にでも行くか…？｣
｢ストリート…いいですね！｣
｢じゃあそうするか｣
｢はい！にしても、よく思いつきましたね｣
｢まぁな｣ﾌｯ
｢確かにあそこは人が多いけどお店が多いからバレる心配もあまりないし…退屈しないし…ナイスです！｣
｢あ、俺のﾌｯが無視された｣←
いつもと変わらない会話をしている二人を一瞥し、僕はそう心に誓った
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作者名：闇猫少女 | 作成日時：2017年10月2日 16時
