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第18話 ページ20

貴女side


「やだっ…離して、離してよ!」

「黙れ!お前は俺らに従っていればいいんだよ!」

「嫌だ!…お母さん!お父さん!」

「ごめんなさい、A」

「……やってくれ」

「お母さん、お父さっ!?…ぐっ、ああああ!!」


どうして、どうして助けてくれないの?

どうしてそんなに悲しい目をするの?

痛い、痛いよ

なんで、痛い、ねぇどうして?

すごく痛いよ

痛い…痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!

苦しいよ、助けて…お母さん、お父さん

前はあんなに仲良かったよね

争う"種族"じゃなかったよね

アイツらが来てから、みんな狂ったように叫び出して、自ら命を経っていった

長老も、優しくしてくれるおばちゃんたちも、お兄ちゃんも…みんな狂い出した

残ったのは、"アレを受け継いだ者だけ"

でも僕は違うよ

まだアレを受け継いでいない

なのにどうして僕がこんな目に?

僕がハーフだから?

人間と____のハーフだから、しないといけないの?

、、、やっぱりそうなんだ

だって周りの反応が可笑しかったもん

妙に優しいし、割れ物を扱うように接してくる

僕は____

____を持って生まれてくるハーフなんて、そういないもんね


ハッ…夢、か


「久しぶりに見たな……」


あんな過去、思い出したくもない

だいぶ息が上がっている、それに汗でびしょびしょだ


「シャワー、浴びよ」


あの後結局ご飯を食べて寝た

あのままあそこにいると、僕が理性を失ってしまいそうだったから

いや、正確には僕の中にいる____が、かな

シャワーを浴びるため立ち上がろうとすると、足に上手く力が入らず膝をついてしまう


「ハハッ…夢で腰抜けるとか情けない」


なんとか周りのものを使って立ち上がる

視界が安定しないままお風呂場へと向かう


ドンっ

「いっ……」

「うぁっ…あぁA!?ご、ごめん!立てる?」

「ぁ…まふ」

「ちょ、大丈夫!?
息乱れてるし、汗でびしょびしょだよ!?」

「まふ、お願い、お風呂場までつれてって」


言ったあとに気づいた

なんてことを言ってしまったんだ

あの夢をみたせいで頭が上手く回っていない


「ん、」

「…え?」


まふが背中をこちらに向けて目で早くと訴えてくる


「ほら、早く乗って」

「……ありがと」


僕は、まふの優しさに甘えることにした

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作者名:闇猫少女 | 作成日時:2017年10月2日 16時

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