第16話 ページ18
まふside
気づいたらそらるさんに抱きしめられていた
僕が不安定な時はそっと抱きしめてくれる
そらるさんに抱きしめられるとなんだか落ち着くんだ
少し目線をずらし、そらるさんの後方へと視線を向けると20後半辺りだろうか、白衣を着た男性が路地の方から出てくるのが見えた
確か、あの路地は初めてあった時の公園に繋がっているはず
あの時も白衣を着た人たちが彷徨いていた
こういう時の脳の回転スピードは早い
Aがいるかもという期待が広がる
やっと見つけたかもしれない
考えるよりも先に行動に移してしまう
それが僕の悪い癖だ
腕の中から出て必死に公園へと向かう
そらる「あ、おい!まふ!」
後ろからそらるさんの声が聞こえるがそんな余裕は持ち合わせていない
路地裏を抜け、少し走ると相変わらず人気の少ない公園が見えてきた
僕たちがAと初めてあった場所だ
ブランコの方に人影が見える
それを見た瞬間、すぐに駆けつけAだということを確認してから体を起こす
まふ「A、A!」
貴女「ッ…ぁ、まふ」
まふ「A!!良かった……」
あまりの嬉しさに、その小さい体を抱きしめた
胸に空いた小さな穴が埋まった気がした
よっぽどAのことが好きなんだと改めて実感する
そらるさんは坂田たちに電話しているようだ
暫くすると坂田たちも駆けつけ、家へと帰った
二人は途中で帰ったので家には僕とそらるさん、Aだけだ
貴女side
そらる「一体何があった」
貴女「……」
言えるわけがない
このまま無言を貫いていてもそのうち言わなければいけない
でも仮に、殺せと命令されたことを言ったとしたら?
捨てられるかもしれない
いや、警察に連絡が妥当な判断だ
もしそれがバレたら間違いなく僕は殺される
それは嫌だ
あいつらの実験材料になるのも嫌だが、殺されるのも嫌だ
そもそも、関わった5人を殺したあとは身体能力を駆使して逃げればいいじゃないか
助けてくれた命の恩人とも言えるのに、こんな考えに辿り着いてしまう僕は本当に最低だ
そらる「なにが、あったんだ」
まふ「そらるさんっ…」
そらる「まふ、一旦黙れ」
まふ「ッ…はいっ……」
怒っている
そりゃそうだ
行方不明になった挙句、何があったかも言わずに無言を貫く
怒るのも無理はない
でも、一体何を言えばいい?
僕は、慎重に言葉を選びながら説明していく
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作者名:闇猫少女 | 作成日時:2017年10月2日 16時