実験体少女 (ページ17)

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第15話ページ17

うらたside

坂田｢どこにもおらんよ…｣

うらた｢くそっ…一体どこに行ったんだよ……！｣

家を出てから何分経っただろうか

辺りも結構暗くなっている

そろそろAを見つけないと…

坂田｢うらさん…もしこのまま見つからんかったら……俺、どうすればええんや｣

見つからないことに少し苛立ちを覚えていた俺は、坂田の言葉にハッとした

うらた｢なに…いって｣

坂田｢だって！どこにもおらんのやよ！？もしかしたら、誰かに攫われとるかもしれん！このまま…見つからんかもしれん……｣

うらた｢黙れ…｣

坂田｢このまま見つからんかったらどうすればええの！？まだ幼いのに、大人な俺らがしっかりしていなかったから！俺の…せいで｢黙れよ！！｣…っ！｣

うらた｢いいから、黙ってくれよ……｣

坂田｢ッ…ごめん｣

違う、そうじゃない

お前のせいじゃないって言いたいのに、謝って欲しいわけじゃないのに

こういう展開を、望んだわけじゃないのに

どうして俺はこんなにも無力なんだよ…

坂田side

うらた｢いいから、黙ってくれよ……｣

坂田｢ッ…ごめん｣

いつも声を荒らげないうらさんが急に声を荒らげたから、反射的に謝ってしまった

違う、多分うらさんは謝って欲しいんじゃないんや

なんに、ばかやろ…俺

どこを探しても見つからなくて、それでイラついて、そんな現実から目を背けたくて…

自分を追い込んでも何も変わらんやん

今日初めて会ったのに、まだ片手ほどしか話してないんに…なんでこんな好きにさせるんや、A

こんな短時間で…

好きやから早く見つけたい、好きやから、責任を感じてしまう

私情は挟まんほうがいいのはわかっとる、焦ったらダメなことやって分かっとるんや

けど、誰よりも早く見つけたいって気持ちが強いんや

最低やな、俺

自分のためだけにうらさんにぶつけて…

もっと強かったら良かったんかな