実験体少女 (ページ1)

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プロローグページ1

貴女｢はぁっ、はぁっ…！｣

逃げなきゃ、どこか遠くへ逃げなきゃ

？｢おいまて！｣

？｢そっちに行ったぞ！なんとしてでも捕らえろ！！｣

背後から足音が近づいてくる

身体中がボロボロになっており、これ以上走るとなれば少し走って終わりになるだろう

頭を必死にフル回転させ、近くの茂みに隠れることにした

懐中電灯で辺りが照らされていく

見つからないで

震える体を必死に抱きしめながら、僕はそう神に祈った

頭についている"獣耳"で辺りの音を探る

襲ってくる恐怖に耐えきれなくなり、その茂みから勢いよく飛び出した

その後はとにかく走った

息も上がり、足も何度かもつれたが、アイツらに捕まるよりはましだ

外へ出たい

自由になりたい

死にたい

そう、何度も思った

けれど、アイツらがそれを許さなかった

その後の記憶は曖昧でよく分からない

ただ、無我夢中で森の中を走り続けていた

気づいたら足場がなく、落ちているのだと実感した

このまま死ねたらいいな

身体中に纏う水の感覚をおぼえながら、僕はそのまま意識を手放した

貴女｢…眩しい｣

目を覚ましての第一声がこれだった

なんというか、腑に落ちない気もする

めんどくさいという気持ちを抑えながら身体を起こし、まずは今の状況を理解することが先だと思い辺りを見渡した

ここはどこだ？

外の景色を見ることすら許されていなかったため、何も分からない

川に流されて意識を失い、気がついたら見知らぬ場所に流れ着いている

案の定、僕の頭の中はパニック状態だ

生憎僕は人間じゃないため、傷は治っているようだ

動きづらいが、ここにいるよりはマシだろう

少し痛む身体を必死に動かして、音が大きい場所に行けば見つかりずらいはずだ

獣耳で探りながら煩い場所へ向かうことにした