きみの魔法 III (ページ7)

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目的地には意外と早く着いたようで

数分で到着した

そこは2回しか訪れたことはなかったけれど

はっきりと記憶に残る場所で

ようやく私の肩から離れた腕がそっとインターホンを押す

暫くして玄関の鍵がカチャリと音を立てた

家の中からひょこっと顔を覗かせた彼は

目を細めてこちらを見たあと

廉｢平野...と、由季？｣

驚いた様子で次第に大きく開かれていく瞳

紫｢今からちょっとええ？｣

廉｢俺、今日学校休んだ身やねんけど｣

紫｢ちょっとだけ...

いや、長くなるかも知れへんけど、どうしても伝えたいことがあって｣

"てか、これは伝えなあかんことやと思うねん"

真剣な顔でそう話す紫耀に何かを感じとったのか

廉｢.....えっとー、中入る？｣

促されるまま着いてきてしまったけれど

そこは紛れもなく永瀬くんの家だった

昨日のそう遠くはない記憶が蘇ってくる

ダイニングの机を挟み向かい合う空気がそれをより鮮明にする

壁に掛かった時計だけがカチカチと時間が進んでいるみたいだ

.

長い沈黙を破ったのは紫耀で

ゆっくりと話し始めた

紫｢言うべきかどうか凄い迷った

でも...今、言わんかったらもう一生このまま...

このままな気がしたから｣

目を閉じて勿体ぶるようにぽつり、ぽつりと呟く

そして大きく息を吸い込んでこう言ったんだ

.

.

"二人は双子や"