きみの魔法 III (ページ6)

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分かった？と優しい目で睨みを効かせたあとは

何事も無かったようにそのまま下駄箱へと足を進めた

周りは一瞬何が起きたか分からないという様子で

でも紫耀に反攻する者はなく、そのまま散っていった

.

人だかりが随分と減った所まで来るとそれまで固く握られていた肩の手が緩まる

本人も知らないうちに力が入っていたんだろう

｢あの...紫耀、｣

思わず力が入ってしまうほど真剣にさせてしまったこと、謝らなくちゃ

紫｢ん？｣

こんなに至近距離できゅるんとした目をされたら、ドキッととしてしまう

この人の放課後は全て破壊力が半端ない

｢なんかほんとにごめんなさい｣

紫｢別に由季何も悪いことはしてないじゃん｣

｢してる｣

紫｢さっき俺が隣にいたいから一緒にいるって言うたやん｣

｢それだけじゃないし｣

まずそれだけじゃ私が悪い奴じゃないって証明にも何にもならない

｢あと言い忘れてたけど、お取り込み中って変だから｣

紫｢あー、お取り込み中か！逆にどういう時に使える？｣

｢どういう時って...｣

紫｢なぁーんや分かんないやん｣

｢うるさい！とりあえずごめんなさいって言いたかっただけ！｣

紫｢ごめんなさいとかいらんし.....由季、今日は俺がいいよって言うまで黙ってて？｣

｢......。｣

確かに謝ってばかりいる気がする

靴に履き替えたあとも言われた通り一言も発さず

どこに向かっているのか知りたいけど聞くことが出来なくて

何故か機嫌の悪そうな紫耀の後ろに着いて行くしかなかい