きみの魔法 III (ページ12)

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ちょうどその時その時

『ただいま』

廉｢あ、帰ってきた｣

昨日の夜にこの家の玄関で聞いた声だった

廉｢今日は早いな...｣

母｢早く帰ってきてって連絡見て｣

もし、紫耀が言っていることを信じるとするならば

永瀬くんのお母さんは私のお母さんということになるわけで

廉｢そっか...｣

それ以上は会話も無く、玄関先で靴を脱ぎ上着を脱ぐ音だけが聞こえる

足音がだんだんと近づいてきて

足音がドアの前に来るまであと数センチ

ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ＿ｶﾞﾁｬｯ＿＿＿

母｢早く帰ってきて欲しいなんて...

廉が連絡入れてくる自体滅多にない事だし何かあったのかと思ったけど...

ところでこの子達はどちら様？｣

紫｢お邪魔してます｣

廉｢なぁ、俺に言ってないことある？｣

母｢き、急に何？言ってないこと？隠し事なんてしてないわ｣

深く溜息をつきながら

廉｢じゃあコイツ見たことない？｣

母｢え、、会ったことあったかしら...

あっ、もしかして昨日の夜に玄関前に居た男の子？

それで...隣に居た女の子は顔が見えなかったけどあなただった？｣

紫｢はい｣

返事を一つして正座をして向き直ると

紫｢でも、お会いしたのは昨日が初めてじゃないんです｣

母｢そうなの？どこかで会ったこと...｣

頭を傾け少し考えてから

母｢ごめんなさいね、覚えてないわ｣

そう言った