きみの魔法 III (ページ11)

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美女桜ページ11

もう何も言えなくなってしまった私と永瀬くん

その場に黙り込んで座ったまま動かなかった

紫｢由季のお父さんにも来て貰う｣

紫耀に声をかけられても

｢......。｣

黙って頷くだけで話の内容は全く頭に入ってこない

紫｢永瀬のお母さん何時に帰ってくる？｣

廉｢さぁ......｣

永瀬くんの返事もままならない

...しばらくはそのまま黙り込んでいたけれど、

廉｢お腹すくよな？夕飯の支度してくる｣

と言い立ち上がった永瀬くんに続き

｢私も手伝うよ｣

何か体を動かさないと色んな考えが頭を駆け巡って、ぐちゃぐちゃになりそうだった

このまま座っていたって無駄なことばかり考えてしまう

とりあえず三人で台所に立ち支度を始めた

でもそれはそれで、なかなかカオス.....

廉｢米洗って｣

紫｢ん...｣

必要最低限の会話以外はほぼ無言

昨日の今日で、

紫耀からの爆弾投下があって普通でいられるわけが無い

・

・

永瀬くんの指示により指導されるまま調理して

なんとか全ての料理を作り終わって
食卓にお皿を運ぶ

時間は経ってもさっきとあまり変わらない空気が漂う

｢私達の方から急に来たのにごめんなさい｣

紫｢ごめん｣

廉｢いつも一人で作って食べてるから...

誰かと食べんのはいつぶりやろな｣

そろそろ食べよか、と言われて

いただきますと手を合わせる