振り向いてくれない彼女【霧隠ラント】

手作り ページ6

ラント side



「じゃじゃーん！！」



ラント「…これは？」





昼休み。
私たちはいつも通りにベンチで集合し昼食を取ろうとしていた。

しかし今日はAの弁当箱が二つある。理由を聞いてみたら…






「今度、チアキくんにお弁当を作ってあげようかと思って…チアキくん中々の偏食だから心配なんだ」

ラント「そうなのか」

「だから今日はラントくんに私のお弁当を評価してもらおうと思って！」





なるほど、つまり私は味見役なのか。

蛇山に最高の弁当を届けるための…。






ラント「…」


「ラントくん？」


ラント「わかった、食べよう」


「ほんと！？助かるよ」






Aに渡された弁当箱を開く。

中身は至って普通の具材だった。
その中の一つの唐揚げを一口食べる。







ラント「…中々美味いじゃないか」

「本当！？」

ラント「しかし少々脂が多い気もする」







なんて嘘をついた。
本当はとても美味しい唐揚げだ。焼き加減も程よい。

このまま情報を鵜呑みにして今より不味いものを作ってしまえばいい。





「そっか〜」





私の言葉を信じてメモを取るA。

そこまでして蛇山に尽くしたいのか。羨ましいな、アイツが。







「ありがとう！他のも食べてみて」







それから私たちは試食をして、アドバイスを試合ながら昼休みを過ごした。

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