私の幸せだった記憶【半妖の滅龍士】 (ページ8)

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頼もしい少女と少年ページ8

ふぶき姫 side

ふぶき姫「ふぅ」

社の掃除が終わった。

私の一日は社の掃除から始まる。この島が平和になるように毎日龍神様にお祈りをするのだけどお祈りの前に周りをきれいにすることを習慣付けている。

龍神様のお願いするのだからちゃんとしないと。この後来るAと飲むお茶も入れないとね。

『ふぶき姫様』

お茶の準備をしようと社へ戻ろうとしたところ、すでについていたAに呼び止められた。

あらま、この子ったら本当にしっかりしてるわね。約束の五分前についてる。

ふぶき姫「いらっしゃいA、早速中に入って」

『はい、お邪魔します』

私とAはもうすでに長い付き合い。

彼女とシュウの関係に比べれたらまだまだ彼女について知らないことはたくさんあるけど、それでもAとは仲が良いつもり。

ふぶき姫「そういえば最近シュウとはどうなのかしら？」

『その質問毎日言ってますよ』

Aは呆れたように言う。

私としてはそんなつもりはなかったけど…どうやら毎日聞き飽きるほど聞いていたみたい。

だってこの子、全っ然惚気てくれないんだもの。恋人同士なら友達に惚気るの一つや二つくらいあるでしょ？

『私とシュウさんが誰かに惚気るような性格ではないことは、貴女だって知ってるはずでしょう？』

私の代わりにお茶を器用に淹れる。

その時、彼女の左薬指が眩しく光る。指についてるものはどんな時でも二人が愛し合っている証拠。

ふぶき姫「はぁー、そんないつまでも初々しくしているから二人は”恋人”の留まっちゃうのよ」

『なっ』

ふぶき姫「二人は恋人じゃなくて”婚約者”なんだから。わからせてあげないと」

そう、二人は婚約者同士であるのにいつまで経っても付き合いたての男女のように進展がないままだ。

私たちがみてないだけでそう思っているだけかもしれないけど実際二人はなんだかもどかしい。みてるこっちがイライラしてしまう。