私の幸せだった記憶【半妖の滅龍士】

成長した少女と少年 ページ5

〜数年後〜



それから長い年月が経過して二人は成人した。二人は現在、龍人島の滅龍士として過ごしている。


滅龍士とはなんなのか。

島を襲う災害、死龍を討伐するために結成された部隊である。

死龍を倒すことができるのは滅龍士と呼ばれる戦士のみだとされている。




『シュウさん！』




大人になった少女はAと名付けられた。

この名前は少年だったシュウが名付けたものである。




シュウ「あぁ、Aか」




二人はみるみるうちに成長し、島では評判の美男美女だ。

そして大人になった二人は過去からの付き合いを通じて、今は恋人(・・)関係にあたる。

何があって今の二人になったのかはまた別の機会に話そう。




『シュウさんはこれから鍛錬ですか？』




Aは非常に美しい女性だった。

幼少期からその美しい見た目によって彼女は人身売買されていたが、成長した今ではさらに美しく昔より凛々しい性格になった。

シュウはそんなAを誰よりも大事に守ってきた。昔も、今も。




シュウ「そうだ。お前は？」

『ふぶき姫様のところへお手伝いです』




流人島の島長、ふぶき姫のところへ手伝い…それを聞いてシュウは安堵した。

元々Aは滅龍士となる予定だった。彼女は試練を全て乗り越え滅龍士になる資格を得ていた。

が、シュウの願望により彼女が滅龍士になることはなく、今では島長のもとで龍神の社でともに祈りを捧げているのだ。

なぜシュウがAを滅龍士にすることに反対したのかは、本人にしか知らない。だが、この結果により二人が幸せに暮らしていることも事実であった。

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