○ ページ33
文次郎「別にそれは構わねぇがよ…お荷物だけにはなるなよ」
伊作「そんな言い方ないじゃないか!文次郎」
仙蔵「いや、文次郎の言っていることは間違っていない。お荷物になると私達まで巻き添えになるからな」
いくらAとは言え、他のメンバーの迷惑になるのだけは阻止したい。
『……みんなと一緒にいたい』
そう小さな声で呟くと、その場にいる全員がぎゅっと心臓が引き締まるような感覚になり、顔が赤くなる。
文次郎「し、仕方ねぇな!途中で伊作が辛くなったら俺がおぶってやるよ!」
勘右衛門「あ、俺も!」
小平太「五年生はダメだ!」
「「えーーーーーー!」」
言い争いつつもなんとか出発した。
伊作「大丈夫?Aちゃん」
『……うん、だいじょばない』
:
数分前
留三郎「伊作っ、早くしないと集合時間に遅れる!」
伊作「うわああすまない留三郎!僕が薬草を散らかしてしまったから」
留三郎「なぁに、同室じゃないか!」
いつものようには組が同室スキルを発動している。
二人が急いで長屋を出る。
伊作「確かみんな校門に……ってうわ!!」
留三郎「!どうしたいさ…ってA!?」
なんとは組の部屋の前に、腹を抱えながら座り込んでいたAがいたのだ。
顔色が悪く、元気も無さそうな彼女に伊作はすぐ状態を確認した。
伊作「どっ、どうしたの!?顔色が良くないよ!」
留三郎「また熱か?」
『ううん……違う』
本人は違うと否定するが明らかに大丈夫でも無さそうな状態だった。
185人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ