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『留三郎〜団子買ってきてよ〜』
留三郎「はぁ?」
『風邪をひいてしまった私からの切実なお♡ね♡が♡い』
留三郎「んなもん俺じゃなくて後輩を使え」
『やぁね後輩はパシリに使うもんじゃない!』
留三郎「じゃあ知らん」
『ねぇ〜買ってきて〜!』
熱で身体もだるいだろうに、
それでも団子が食べたいと小さな子供のように駄々をこねる姿はみっともない。
雷蔵「先輩ってたまに姫様の気質がありますよね」
『……!』
雷蔵の一言でピタリと止まるA。
八左ヱ門「あ、たしかに。本にわがままな姫様っているよな〜」
三郎「A先輩は言葉遣いもいいですし」
『……あ、ありがとう』
急に黙り、照れ出すが
誰も気づいてはいないが悲しそうな顔をしていた。
伊作「さっき買ってきた和菓子を食べればいいじゃないか」
『あれはダメ!贈り物用!』
伊作が冗談交じりに言うと、Aは怒り混じりにダメだと強く叫ぶ。
それに驚いた一同は何にそんな怒っているのかと一つ疑問が出来てしまった。
仙蔵「A……疲れているのか?」
『あ、ごめん……叫ぶ必要はないよね』
やりすぎたことを反省し何も無かったかのように黙って体を横にした。
壁の方を向いてAは背中を見せた。
左近「…多分、出ていった方がいいですよね」
伊作「そう…だね。みんな、医務室から出よう。Aをひとりにさせてあげよう?」
伊作はさっさとでたでた、とその場にいる全員を押し出しぽつんと寝ているAの背中を見て静かに襖を閉じた。
『(…やだ、私ってば)』
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