○ ページ31
勘右衛門「あっ…A先輩」
後ろから感じ取る黒い気配に五年生たちはガタガタと体を後ろに向ける。
そこにいるのはいつもの笑顔のAなのだが何かが違った。
雷蔵「あ、あの…」
三郎「A先輩、これには訳があって…」
Aが困った顔をすると、持っていた風呂敷をゆっくり解いた。
『んじゃあこれは四年生のみんなで食べるね。みんな私のに不満あるもんね』
Aの手にあったのはお洒落に作られた和菓子。
これは最近忍たまやくのたまの間で話題になっていたお菓子。入手困難のものでもある。
八左ヱ門「ちょちょちょまってください!誤解です!」
『ん?何が?私に不満あるなら距離を置いた方がいいんじゃないの?』
勘右衛門「違う!俺たちの不満は……」
『んー?』
構って貰えないから不満がある、だなんて口を裂けても言えない五年生たち。
本人たちのプライドと恥ずかしさが勝ってしまい素直になれない。
『小松田さーん、四年生たちを見ませんでしたかぁ?』
小松田「えっ?四年生なら長屋の方に行ったのをみたけど……」
そうですか、ありがとうございますと言ってAは真反対に体を向ける。
すると、ムズムズしていた兵助が真っ先に
兵助「せ、先輩に構って貰えなくて寂しかったんです!ごめんなさい!」
咄嗟に兵助が頭を下げこれまでにない大声で叫び出す。
それを聞いたAはピタッと振り向きはせずにその場で止まる。
八左ヱ門「お、俺も最近委員会の手伝いに来ないしずっと下級生ばかりと話してるから……!」
雷蔵「え、えっと……僕もです」
三郎「……」
勘右衛門「みんな先輩と話すことが出来なくて寂しかったんです!三年前までは俺たちにつきっきりだったのに……」
それぞれが今までの不満をぶつける。三郎は黙っているが本心はみんなと同じだ。
215人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柑橘 - 始めまして〜、柑橘で〜す!作品、とっても面白いです!! 突然ですが三郎は鉢屋ですよー (8月22日 18時) (レス) @page11 id: 8a27882804 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 五年生可愛いね、構ってほしかったよね自分夢主ちゃんより年下なんですよ(12歳です今三年生と同い年ですね)こんな先輩がいるなら人目なんて気にせずハグしますね甘えたいです。←女ですもう一度いいます女です(((泣 (2023年3月13日 19時) (レス) @page32 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
あるとん。(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!がんばります! (2022年10月25日 21時) (レス) id: da0ec114fc (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - コメント失礼します!! 話の内容が分かりやすいし面白いです!! これからも頑張ってください!! (2022年10月23日 23時) (レス) @page20 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ