【A3!】イージーモードな彼と私【摂津万里】 (ページ23)

今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:75,597 hit

＊仲良しページ23

「あれ？君ってたしか万里と同じ劇団の…」
「！…どうもっす」

デートに新しい服を着ようとショップに行くと、ベンチに大柄な男の子…たしか兵頭くんが1人座っていた。

「急に話しかけてごめんね！」
「いや、大丈夫っす…えっと…」
「Aでいいよ！」
「Aさん、摂津と一緒じゃないんすか？」

そこそこ混んでいるのに両脇が空いているのはラッキーだな、と隣に座らせてもらった。

「今日は大学の友達とカラオケなんだって。兵頭くんは一人でお買い物？」
「いや、弟…」

そこまで言うと兄ちゃーん！！とブンブン手を振ってくる元気な男の子がかけてくる。名前まで分からないけど、夏組の子だったよね…？

「あれ？確か万里の彼女の…」
「Aです！夏組の子だよね？兵頭くんの弟だったんだ！」
「そうっす！あ、俺は兵頭九門っていいます！」
「九門くんかぁ、よろしくね」

兵頭くんと九門くんに挟まれるようにして座ると、九門くんからたくさん話しかけてくれた。

「今日は兄ちゃんと椋と買い物に来たんっす！あ、椋はいとこで同じ夏組！」

聞けば今は別行動をしているらしく、用事が済んだ人からここで待っているらしい。歩き疲れたし、椋くんが来るまで一緒に座らせてもらおう。

・

椋くんと合流してからも思ったより話が盛り上がり、しばらくベンチでおしゃべりしていると、突然頭を掴まれた。

「ちょっとそこのお姉さん、俺と遊ばねぇ？」
「！？万里！」

じゃあな。と一緒にいた友達に別れを告げれば浮気か？と頭を掴む手に力が入る。

「痛たたたたっ頭潰れる！」
「Aさんが可哀想だろ！暴力反対ー！」
「はっ、随分と仲良くなってんのな」

浮気浮気、と言うけどそんな訳ないのはきっと本人も分かっているので、これはただの照れ隠しなのだ。飴あげるから許して～と言えばアホか、と言いつつ手を離してくれた。

「たまたまみんなと会ってね！話してたら楽しくなっちゃって」
「万里さんの写真もたくさん見せてもらったんですよ！」
「…ふっ」

思い出し笑いなのか、ふっと方を揺らす兵頭くんに何笑ってんだ兵頭！と声を上げればあぁん？と『いつもの』喧嘩が始まった。

「本当にいつも喧嘩してるんだ…」
「あれ？見るの初めてっすか？」

毎日やってるよ、と全く止める気配のない九門くんと椋くんの反応に、そういうものか…と2人を見守ることにした。

「仲良いなぁ」
「良くねぇ！！」
「良くないっす！！」

仲良いなぁ…