時の流れ 弐 ページ3
下町に着いて事を済ます途中、木を売って稼いでいる、有一郎と無一郎に会った。
有一郎と無一郎は、私の二つ上の兄だ。
「あ、囲炉裏だ!囲炉裏〜!」
無一郎は笑顔で手を振った。
「そんなことしてないで早く木を売れ」
だが有一郎は私の方をも見ず、淡々と作業をしている。
やっぱり、有一郎の言うことは嫌いだな。
言葉の端々に棘を感じる。男が嫌いになったのは、主に有一郎のせいなんだよな。
「ん。じゃあね、無一郎」
「うん。また今度ね!」
と言って有一郎と無一郎別れた。
事を済まし、気づけば夜。
「どうしよう、母さんと父さんに叱られる……」
と父と母に怒られる様を思い、森の暗い夜の道を歩む。
若干坂道で一本道。坂道なのが地味につらい。
すると道端に、
「ううっ……お腹が……」
と言いながらお腹を抱えて苦しそうにしている、桜色の髪で白の羽織りを着た女性を見つけた。
「あ、あの、大丈夫…ですか?」
その女性に駆け寄り背中をさする。女性は私を見て作り笑いをした。
「う……ん……」
状態を見るため質問をしていく。
「お腹、どうされました?」
と私が聞くと彼女はへにゃっと笑って答えた。
「空……腹……なのっ……」
さする手を止めて、空腹で腹を抱え込むほどお腹すいたんだろな〜。と思いながら着物の胸元から、腹の満たせそうなものを出す。
「良かったらこれどうぞ」
と出したのは、
「桜……餅!」
魚屋のおばちゃんが作りすぎて貰った桜餅。
それを大量に貰った。そんならおばちゃん和菓子屋でもやればいいのにと思い、
「どうぞ、食べてください」
と桜餅を渡した。
「ありがとう!」
と嬉しげに笑い桜餅を食べ始めた。
269人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
戸瀬 湊(プロフ) - さろぺさん» URLってどうすれば貼れるんでしょうか… (2019年11月30日 19時) (レス) id: c291d7c22c (このIDを非表示/違反報告)
さろぺ(プロフ) - 私のボードにURLを貼っていただけますか? (2019年11月30日 19時) (レス) id: 84dcb5da09 (このIDを非表示/違反報告)
戸瀬 湊(プロフ) - さろぺさん» 描いたものってどうすればいいですか? (2019年11月30日 17時) (レス) id: c291d7c22c (このIDを非表示/違反報告)
さろぺ(プロフ) - 戸瀬 湊さん» 大歓迎です! (2019年11月25日 22時) (レス) id: 84dcb5da09 (このIDを非表示/違反報告)
戸瀬 湊(プロフ) - お一人いて言いづらいですが…自分もイメ画描いていいですか…? (2019年11月25日 17時) (レス) id: c291d7c22c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ