消息不明のアイドルは 8 (ページ15)

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155話ページ15

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｢やっと逢えたね、アオイ｣

『…私は会いたくなかったけどね、フロイくん』

ギュッと掴んでいたジャージにシワがよる

｢知り合い…？｣

フロイ｢そんなに怯えないで？僕はもう君には何もしないから｣

困ったように、少しだけ眉を下げる彼

極力彼とは会いたくなかったのだけど、対戦相手であり、敵国の王子様と言ったところだ

……こうなることは、分かっていた

フロイ｢でも、、急に居なくなっちゃったのはビックリしたかな？｣

『……』

野坂｢君は、葵ちゃんの何なのかな？｣

『野坂さん…』

俯いていると、野坂さんが盾のように私の前に立つ

フロイ｢あらら、怒るところなんてあった？

まぁまぁ、そう睨まないでください。僕は貴方と同じアイドルとファンっていう仲なので…

あぁ、それとも────？｣

野坂｢…｣

野坂さんの耳に顔を近づけ、何かを言った

私の距離じゃ、何も聞こえなかったけれど野坂さんがフロイくんに何か言われた途端 1歩後ろに下がった

…野坂さん？

｢こらフロイ、戻ってこい｣

チームメイトから注意され、頭を掻きながら持ち場に戻っていく

フロイ｢あぁ、そうそう。皆さんに言っておくことがありました。

我々ロシア代表に、オリオンの使徒は1人もいません｣

『……？』

フロイ｢我々ロシア代表は、オリオンを認めない｣

見開かれた瞳に、嘘はついていないと思えた

けれど、何故だか

ロシアチームに、違和感を覚えた

フロイ｢じゃあね！！アオイ！また君の歌声聴かせてね！！｣

考え込む私とは裏腹に

元気な声

『さっさと帰れ！！この変態！』

自分のことで頭がいっぱいだった私は気が付かなかった

フロイくんが何か言いたそうな顔をしていたことに

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