消息不明のアイドルは 5 (ページ19)

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99話ページ19

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side 稲森

いつになく、怒りを露わにしている葵

こんな葵、初めて見た……

『…ほんっと、寝言は寝て言えって感じ…』

灰崎｢はぁ！？｣

ヒロト｢てめぇ、人が心配して…｣

『心配？笑わせないでくださいよ…』

ユラりと俯いたまま立ち上がる葵

表情こそ見えないものの、怒っているのは明確に分かった

『皆さん…“負けたら…”なんて、随分と中国相手に弱気なんですねぇ…

今まで勝ち進んできた日本代表の選手とは思えない発言をするなんて……呆れた…』

一星｢あ、葵…みんなになんて口を｣

『光兄…煩(うるさ)い』

一星｢ハイ…｣

止めに入ろうとした一星を、一刀両断する

双子の兄である一星でさえも、葵の気迫に怖気付いていた

『今までの試合、皆さん勝つことだけを考えてきていたじゃないですか。

それが、なんですか？負けたらって…負けたら負けた時考えたらいいじゃないですか。

…まさか、中国戦の相手が子文くんだから戦うのが怖いとか…？』

ヒロト｢はぁ！！？んな訳ねーだろうが！！｣

灰崎｢負ける気なんざねーよ！！｣

葵の言葉に、いち早く反応するヒロトと灰崎

その光景を見て、目を細めてにっこりと笑う葵

『ふふ、そうですよねぇ！

神を自称するヒロトさんと、悪魔を自称する灰崎さんがまさか…弱音を吐くだなんて…ありえないですよねー！！』

｢｢ったりめーだ！！！次の試合も勝ってやる！！！｣｣

ヒロト｢灰崎！！シュート連行くぞオラ！！｣

灰崎｢言われなくても行くぜ！！｣

ヒロトと灰崎はお互いにメンチを切りながら、視聴覚室を出ていった

風丸｢あ……葵…｣

『あ゛ー…“単細胞”は扱いがラクですね～…おっと、ｺﾞﾎﾝｯ((

皆さん、次の試合も頑張りましょうねっ！』

なにか、聞いちゃ行けないような事が聞こえたような気がしたけど…

うん、気のせいだよな

不動(……いや、こっわ)

野坂(西蔭とタイマン張ったらどっちが勝つんだろう…興味深いな)

西蔭(野坂さんからの視線が…痛い)

その日、一星葵はめでたく

【怒らせちゃいけない人リスト】に

トップでランクインするのであった。

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