標的1413＊だって、持っていないから ページ8
＊
いつも羨望を感じていた。
ないものを数え、ないものを願った。
どうして、自分ばかり――
選べるわけじゃない。手に入るものじゃない。
だけれど、見せつけられるばかりで心が泣き叫ぶ。
＊
《ゴッチャside》
ゴ「――はい。すみません九代目。」
九《君が謝る事じゃないよ。元々彼女たちをそちらに行かせたのは私なんだから。》
俺は九代目にA様の事を報告し謝罪した。
それでもやはり九代目の声はいつものそれと変わらない。
こういう御方だから俺も力になりたいと思う。
九《それじゃあ、まだ少しの間彼女たちを頼むよ。》
ゴ「えぇ、勿論。」
力強く頷き俺は受話器を置いた。
脱力して椅子の背に身を預ければ体勢が崩れる。
フゥっと息を吐けば、俺の隣から影が落とされた。
視線を向ければその表情に微かに心配の色を見せるギアがいた。
ゴ「大丈夫だ。」
安心させようとその目を見て言うが、あまり効果はないように見える。
ギアはあまり表情を崩さない。
その白銀の色の瞳の所為か、常に冷淡であるように見える。
それでも、その目を見れば何を思っているのかくらい解る。
ゴ「俺も、A様も。大丈夫だ。」
やっとギアが頷いてくれた。それに俺も笑みを返す。
俺達は俺達で出来る事をするしかない。
ゴ「にしても、アルベルトがなぁ……」
ギ「いつまでも子供扱いをしていては、あの子も怒りますよ。」
ゴ「してないしてない。……つもり。」
ギ「子の親離れは早いものですが、親の子離れはなかなかですね。」
微かな苦笑に俺も同じものを返す。
孤児だったアルベルトを拾ったのは、俺がギアと結婚したばかりの頃。
ふと思い出す。それはギアも同じだろう。
ゴ「知らないうちにデカくなってくれやがってさぁ……」
思わず漏れた言葉に、ギアは微かな笑みを浮かべた。
標的1414＊覚えていたい、忘れたい→←標的1412＊上塗りの景色
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桜(プロフ) - aoilovexanxusさん» ぐっと関係が縮まったみたいです。これからどうなるんでしょうね？ｗ (2020年3月16日 18時) (
レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
aoilovexanxus(プロフ) - 桜さん» まさかの婚約！？続きが気になります (2020年3月14日 19時) (レス) id: 6a6a043b0a (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - takeshixanxusloさん» 継承からはドタバタでも穏やかな日々が始まります！ (2020年2月18日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
takeshixanxuslo(プロフ) - 桜さん» いよいよ主人公の十代目継承式が始まるんですね続きが気になります (2020年2月15日 22時) (レス) id: 6a6a043b0a (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - takeshixanxusloさん» はい。頑張ります！ (2020年2月15日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜
| 作成日時：2019年12月13日 18時
